問題となった視察では、北九州市議会議員8名と事務局職員2人の計10人が6月24日から7月1日にかけてスペインとフィンランドを訪問した。現地の政策を確かめるという名目だったが、公務中にワインを飲むなどしたことがテレビ番組で放送され、批判を浴びていた。同議会はこれを受け、2年に1度開催されていた定期海外視察の中止を決めたばかりだった。
毎日新聞によると、この視察に参加した一部議員が提出したA4用紙194枚の報告書が、海外旅行などを取り扱ったブログの内容をそのままコピーしたと思われるという。
市税を使い海外視察に行った人間が書いた報告書と、一般の旅行者が書いた文章と同じになるのは言語道断。視察ではなく、「単なる旅行」をしていたと思われても仕方ない。なお議員は「コピーアンドペーストはしていない。参考にした」などと話しているという。そういう問題ではない気もするのだが。
このひどすぎる北九州市議会議員の行動に、ネットユーザーからは「酷すぎる」「言い訳も見苦しい」「税金を返せ」など、怒りの声が殺到している。
今回の海外視察については飲酒問題発覚後、市民オンブズマンが視察費用の返還を求め住民監査を請求する方針を打ち出している。「市税で海外に行って酒を飲み、その後の報告書もブログを丸写し」となれば、自ら費用を返還するのが筋ではないだろうか。
このような「海外視察」を名目にした「旅行」は各地で問題になっている。記憶に新しいところでは東京都の舛添要一元知事が外遊を繰り返し、ファーストクラスやスイートルームに宿泊したことがあった。舛添元知事は就任2年で8回外遊をこなしたが、1回当たりの海外出張費用は1回平均2,663万円で、総額は2億1,305万円。これが東京都の役に立ったのかと言えば、「NO」と言わざるを得ない。
消費税のさらなる増税が確実となり、庶民が重税で苦しむ中、議員の「金の使い方」に対する目はますます厳しくなる。そのような状況で議員が税金で旅行を楽しむようなことはあってはならない。
仮に海外視察が必要だと言うなら、報告書は内容あるものにしなければいけない。それがネット上のブログをほぼ丸写しにしたというのでは、「旅行」と言われても文句は言えないだろう。
議員には国民が納得するような対応をとってもらいたい。