【Q】嫁が勝手にヌード写真を出版してしまった。まったく知らされていなかった場合は、離婚原因になる?
こりゃあ大変だ! ダンナさん怒り心頭だよね。オトコ心としては三くだり半たたきつけてもよさそうな気もするけれど…。そこで、離婚問題のエキスパートであるアディーレ法律事務所・篠田恵里香弁護士に聞いてみた。
◇まず話し合いを! 離婚ハードルは意外と高い。
【A】その他の事情にもよりますが、これだけでは離婚原因になりません。離婚原因とは、「裁判で離婚が認められる要件」というものですが、このハードルは意外と高く、例えば、配偶者の「浮気」は、肉体関係があった場合に限り離婚原因となります。今回も「夫婦関係が完全に破綻し、修復の見込みがない(婚姻を継続しがたい重大な事由がある)」場合でない限り、離婚は認められません。
◇ヌード写真が原因で性交渉が持てなくなったなど原因がなければ…。
たしかに「妻のヌードを他人に見られる」のは嫌かもしれませんが、それでも実際にうまくいっている夫婦も多数いる以上、直接夫婦関係に亀裂をもたらすものとは考えられません。妻にも考えがあってのことでしょうし、まずは話し合いでお互いの信頼関係を修復することが求められます。
それでもなお、「話し合いが決裂し別居期間が長期にわたった」とか、「ヌード写真が原因で性交渉が持てなくなった」等のさらなる事情が重なった場合には、「夫婦関係が完全に破たんした」として離婚原因になりうるでしょうね。
下世話な話だけど、奥さんの印税どれくらいだったんですかね?
【弁護士プロフィール】
篠田恵里香(しのだ・えりか)弁護士
学習院大学法科大学院卒業。司法修習第61期。東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。文化放送「ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB」ほか、多数のメディア番組に出演中。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire-rikon.jp/