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邦画魂 男と女、廃墟で出会う「TOCHKA(トーチカ)」

 「トーチカ」とは戦時下の防御陣地のこと。北海道の根室半島には第二次大戦末期に建造されながら実際に使用されることのなかったトーチカ群が今も放置されている。これらを舞台に男と女の出会いを描いた作品だ。

 廃墟のトーチカ群を見すえたまま、じっとたたずむ1人の男。戦争遺跡の写真を撮っている女が話しかけるが、男は謎の言葉を残して逃げるように立ち去ってしまう。

 松村浩行監督は初監督作品「よろこび」が海外の映画祭で高く評価された新鋭の映画作家。ロケ地を固定し、登場人物を2人に絞り、劇中に音楽を入れないという、ギリギリまで削ぎ落とした演出が光る。出演は男役にベテランの菅田俊、女役に藤田陽子。
 渋谷ユーロスペース1にて11月23日までレイトショー公開中。

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