青木とカルバンに始まったDREAMの“ライト級狂騒曲”が終わらない。11日の2回戦でルイス・ブスカペに判定勝ちした川尻だが、その後のメーンで同門の石田光洋が目の前で宇野薫に絞殺されてヒートアップ。鋭い眼差しでいきなり宇野に噛みついたことで、互いに一触即発のムードとなった。
その波乱から一夜明けたこの日は決勝大会が行われる7・21大阪城ホール大会に駒を進めたベスト4の川尻と宇野に加え、エディ・アルバレスの3選手が会見。渦中の2人がそろって会見に顔をそろえたことで両雄のコメントに注目が集まったが、いきなり予想外の展開となった。
まずマイクを取り口火を切ったのは川尻。石田の敵打ちへの意気込みが飛び出すかと思いきや「宇野選手、関係者の皆さんにご迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思ってます」となぜかお詫び。いきなり対戦要求を突きつけてしまった非礼を詫びたばかりか、「ついアツくなった」とクラッシャーらしからぬ後悔の念まで示した。
一夜明けて宇野への恨み節を抑え込んでしまった川尻だが、一体なぜ一気にトーンダウンしたというのか。DREAM関係者によれば「宇野選手からしたら、勝った直後の余韻に浸る間もなくコメントまでさえぎられる形になっちゃあ、たまったもんじゃない。まあ川尻選手はオトナの対応としてそれを謝罪したのでしょう」という。
宇野サイドへの配慮に欠けたところがあったにせよ、仲間の敵打ちに感情を露わにしたことで新たな闘いを期待させる展開だっただけに、トーンダウンは残念なところ。
しかし、笹原圭一イベントプロデューサーが「ライト級GP準決勝の組み合わせはファン投票か抽選で決めたい」と語っているだけに、遺恨清算マッチは準決勝で行われる可能性は十分ある。
旗揚げから止まることのない“DREAM狂騒曲”。川尻の急転直下の謝罪についても真意は定かではないだけに、今後のDREAMリングで何が起こるのか、要注目だ。