その主人公のビッグダディが妻と離婚し、母子家庭の5人の子持ち女性と電撃再婚したというから驚きだ。
同シリーズは06年9月26日に第1回目が放送された。岩手県で整体師として身を立てていたビッグダディは、妻の佳美さんと離婚し、8人の子どもを1人で育てていた。貧しい林下家は、子ども全員を高校に行かせるために、鹿児島県・奄美大島の大和村大棚地区への移住を決行。自然豊かな奄美の地で、男1人で子ども8人を育てるビッグダディの姿に感動した視聴者も多かった。
ところが、テレビを見た元妻の佳美さんが、突然奄美にやってきてから、林下家の歯車は狂っていく。元妻はビッグダディと別れた後に産んだ3つ子を抱えていた。復縁を迫る元妻を拒絶したはずのビッグダディだが、欲望に負けてしまったのか、元妻が妊娠。佳美さんが出産後に入籍し復縁。3つ子も引き取り、ビッグダディは12人の父親となった。
しかし、奄美で接骨院を営む林下家の家計は火の車で、ビッグダディは出稼ぎに出て、愛知県豊田市の接骨院よこやまで働くことになる。この間に意見が合わない夫婦関係は冷え込み、妻・佳美さんは家を出る出ないで、すったもんだしていたのが最近の放送。
だが、1月2日の新春特番以降に、林下家にはとんでもない展開が待っていたというのだ。ニュースソースとなったのは、愛知県在住のある方のブログ。4月に愛知県内でビッグダディが講演を行い、そこで仰天報告をしたという。
ビッグダディは年明けに妻・佳美さんと離婚。勤務する接骨院の飲み会で知り合った5人の子持ち女性と、4月に再婚し13人の子持ちとなった。子どもたちも豊田に引っ越したという。ただ、高校生の2人は奄美に残って、学校に通っているとの説もある。新妻はすでに妊娠中で、年末に出産予定。ビッグダディによると、この女性とは離婚後に交際を始めたそうで、子どもを仕込んだのは2月下旬頃となる。いやはや、ビッグダディの繁殖能力には恐れ入る。
ここでどうしても、子どもの数が合わないのだ。12+5=17人だが、佳美さんの連れ子だった3つ子と12人目の末娘は、佳美さんが引き取ったため、17-4=13人が現在の子どもの数となる。佳美さんもビッグダディと同じ豊田市内に住んでいるというから驚き。離婚してもビッグダディの世話になるつもりなのだろうか。
同シリーズ最後の放送は3月26日。この回は総集編で、新たな展開はなく、ビッグダディが震災で傷ついた故郷・岩手への思いを語った。もうこの時点で、佳美さんとは離婚しており、再婚も決まっていたということになるが、その報告はなかった。
ビッグダディが離婚、再婚し、一家は奄美から引き揚げた。もはや、番組自体の存続意義はうすれ、ビッグダディも自身の実の子ではない3つ子への影響を考慮して、番組の放送には慎重といわれている。実に4年半もの間、視聴者をクギ付けにしてきた同シリーズだが、「さようなら」をいわずに、このまま終わる可能性もある。ビッグダディも一般人であることから、特にコメントを出す必要性も乏しく、視聴者は事情がよく分からぬまま、お別れとなるかも。放送を続けてきたテレビ朝日、出演料を受け取ってきたビッグダディには、せめて「最終回」という形でケジメをつけてほしいと願うばかりだ。それが、視聴者への責務と思える。
移住先だった奄美の大棚地区。過疎に悩む地区とあって、子だくさんの一家を温かく見守ってきた。結局、振り回されたのは、なにかと面倒を見てきた区長さんと、安く家を貸していた大家さんたちだ。大棚の人たちにとっては、やりきれない結末であろう。
(坂本太郎)