これで、白鵬が千代の富士(九重親方)の31回、大鵬の32回の優勝回数を更新することが有力となってきた。
こうなると、がぜん機運が盛り上がってくるのが、「一代年寄」の襲名。「一代年寄」とは、著しく貢献した横綱に対して、現役のしこ名のまま年寄として協会に残ることができるもので、過去に大鵬、北の湖、貴乃花の3人が襲名。千代の富士は理事会で贈呈が決まったが、「九重」を継承するため、辞退している。
その実績からして、白鵬が「一代年寄」に相当するのは、誰も異論はないだろう。ネックとなるのは、“国籍”問題だ。年寄名跡を取得する協会の規定は、「日本国籍を有する者」であり、モンゴル国籍のままの白鵬には、現状では資格がない。
名古屋場所千秋楽の7月27日、報道陣から白鵬に「一代年寄」を贈る可能性を聞かれた北の湖理事長は、「年寄の資格は日本国籍を有しているもの。日本の伝統文化である以上、それはありません」と明言。たとえ、大鵬の持つ最多優勝回数を超えても、「変えることはありません」とキッパリ。白鵬に限り、特別に外国籍でも、「一代年寄」を贈る可能性を否定した。
白鵬自身は内弟子を獲るなど、年寄として協会に残る意向があるようにみてとれる面もあるが、帰化問題については、その胸中を明確に話していない。歴代の外国出身横綱では、ハワイ出身の曙(後に退職)、武蔵丸(武蔵川親方)の2人が帰化して、協会に残った。
白鵬夫人は日本人であり、その功績からして、申請さえすれば、帰化に時間はかからないと思われるが、協会に残るのであれば、現役中に日本国籍を取得する必要がある。
そこで、「Yahoo!ニュース」では、「外国人力士の年寄資格取得、認めるべき?」との意識調査を、7月28日〜8月7日に実施。4万8156票(男性=81.9%、女性=18.1%)の回答があった。
その結果は、「認めるべき」が2万1664票(45%)で、「認めるべきではない」の2万1124票(43.9%)をわずかに上回った。「白鵬に限り認めるべき」は5368票(11.1%)だった。
寄せられた意見を見ると、「認めないなら、外国人力士を入れるべきではない」「今の大相撲は外国人力士がいなければ、成り立たないのだから認めるべき」、「国技であるのだから、認めるべきではない」といった趣旨のものが多く賛否両論。
理事長が「変えない」と言っている以上、当面ルールが変わることはないだろう。果たして、白鵬は国籍問題にどういう結論を出すのか?
(リアルライブ編集部)