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旭天鵬 年6場所制以降史上初の“40代幕内”を確実に

 大相撲名古屋場所(7月13日〜27日=愛知県体育館)は12日目を終えて、横綱・白鵬が11勝1敗で単独トップを走り、30度目の優勝を狙っている。その先にあるのは、大鵬がもつ32回の幕内最多優勝記録の更新だ。

 その白鵬とは、また別の大記録を目指しているのが、同じモンゴル出身のベテラン力士・旭天鵬(39)だ。

 旭天鵬は秋場所(両国国技館=9月14日初日)初日の前日である9月13日に、満40歳の誕生日を迎える。来場所、幕内の地位を維持できれば、“40代幕内力士”の誕生となる。

 今場所、旭天鵬の番付は東前頭12枚目。12日目終了時点で、5勝7敗としており、残り3番で全敗しても、幕内維持をほぼ確実にしている。ただ番付編成に運不運はつきもの。下から上がる力士との兼ね合い次第では、5勝10敗では十両陥落の可能性も残されており、3日間で最低1勝は挙げて、幕内キープを“確定”させたいところ。

 40代での幕内がどれほど大変なことかというと、昭和以降、40代での幕内力士はわずか4人しかいない。しかも、いずれも昭和10〜20年代の話で、最後に“40代幕内”を達成したのは、場所中に満40歳の誕生日を迎えた54年(昭和29年)秋場所限りで引退した元大関・名寄岩。

 旭天鵬が来場所、“40代幕内”を成し遂げれば、年6場所制となってからは史上初の快挙で、名寄岩以来、60年ぶりの偉業達成となる。

 人気者だったハワイ出身の元関脇・高見山が39歳まで幕内を務めたが、十両に陥落。40歳を目前にして、幕下に落ちることが確実となって引退した。旭天鵬は、その高見山が持っていた年6場所制以降の幕内最年長記録を30年ぶりに更新した。

 旭天鵬は12年夏場所、平幕で幕内優勝を果たしたが、それ以外は、これといった大きな実績はない。最高位の関脇は3場所務めたが、勝ち越したことは1度もない。ただ、初土俵以来、病気やケガで休場したのは、序二段時代のわずか1場所だけ。まさに、“無事是名馬”であったことが長く現役を続けられた秘訣といえそうだ。

 夢の“40代幕内”を確定させるまで、マジック1だ。
(落合一郎)

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