2月9日、東京・両国国技館で、「第38回日本大相撲トーナメント」(勧進元=フジテレビ)が開催されたが、横綱土俵入りを行った白鵬の相棒が、いつもと違っていたのだ。
これまで、同じ伊勢ケ浜一門で友綱部屋の旭天鵬が太刀持ち、魁聖が露払いを務めていたが、この日は、時津風一門の豊ノ島(太刀持ち=時津風)、出羽海一門の臥牙丸(露払い=木瀬)を従える緊急事態となった。一門外の力士が横綱土俵入りの太刀持ち、露払いを務めるのは異例。
白鵬は「友綱親方が『もう貸さない』と、師匠(宮城野親方)に言ってきたようです。春場所もこのままだと思う」と落胆。春場所(3月9日初日=大阪)でも、土俵入りの相棒が変更されることが確実となった。
いったい、宮城野親方と友綱親方の間に何があったのか? どうやら、1月31日に行われた日本相撲協会の理事候補選挙に原因があるようだ。
同理事候補選には、伊勢ケ浜一門から伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が立候補したが、元理事の友綱親方も強引に立候補。同じ一門から2人が出馬する形になったが、伊勢ケ浜親方は予定通り9票を得て当選。友綱親方も他の一門からの票をかき集めて7票が入って、辛うじて最下位(定数10)で当選を果たした。
その際に、宮城野親方が友綱親方ではなく、伊勢ケ浜親方を推したため、友綱親方がへそを曲げてしまったというのだ。
なんとも、子どもじみた話ではあるが、友綱親方が今後も意地を張るようなら、伊勢ケ浜一門内で孤立しかねない。
(落合一郎)