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広島県廿日市市・女子高生殺害事件「わいせつ目的」の供述と「着衣に乱れ無し」の矛盾

 14年の時を経て“迷宮入り”も懸念された殺人事件に「犯人逮捕」の衝撃ニュースが飛び込んできた。
 2004年10月5日、広島県廿日市(はつかいち)市の自宅で、高校2年の北口聡美さん(当時17)が殺害された事件は、ついに広島県警が4月13日、山口県宇部市の会社員、鹿嶋学容疑者(35)の殺人容疑での逮捕に至った。逮捕された会社員の鹿嶋学容疑者は、わいせつ目的で北口さんの自宅に侵入したという趣旨の供述をしている。
 2008年には被害者家族が300万円の懸賞金を用意するなどしていたが、14年間にわたり有力な情報はなかった。

 事件発生当日、試験期間中だった聡美さんは午後早くに帰宅し、自宅の離れ2階の部屋のベッドで仮眠をとっていた。
 「そこへ侵入してきた男に、聡美さんは突如襲われたのです。母屋で悲鳴を聞いた聡美さんの祖母と妹が駆け付けると、血まみれになった聡美さんを発見し、さらに刃物を持った男に出くわした。男は祖母の背中や腹を約10カ所刺して逃走、妹は近所の園芸店に飛び込み助けを求めたのです」(当時を知る捜査員)

 聡美さんは左胸など10カ所近くを刺され出血多量で死亡。祖母は一時重体となったが、一命をとりとめた。
 「聡美さんには殴られたり乱暴された形跡がなく、本人の財布や携帯電話も残されていた。部屋も荒らされた様子はなく、当時は土地勘と部屋の間取りを知る、聡美さんに恨みを持った人物による犯行とも見られたのです」(同)

 それから未解決のまま時が過ぎ、約14年。ひょんなことから事件は急展開を見せた。
 「4月3日、土木工事会社で働く鹿嶋容疑者が、山口市内の仕事現場で『打ち合わせで返事をしない』という理由で同僚の尻を蹴っていたという。そこを通りかかった通行人が状況を見て警察へ通報、任意で取り調べを受けることになったのです。その際に採取された指紋が、聡美さんの自宅のドアノブに残されていた指紋とほぼ一致し、DNA型も聡美さんの爪の間に残されていた皮膚片と一致したのです」(社会部記者)

 鹿嶋容疑者は、宇部市内の自宅で両親と同居。10数年前から今の土木工事会社で働いていたという。
 「地元の私立高校の機械科を卒業後、長門市のアルミ加工会社に就職したのですが、1年ぐらいで辞めており、それから1年程度空けて今の会社に入っている。周辺関係者からは無遅刻無欠勤で仕事熱心、暴力的な面など微塵もなかったという話ばかりが聞こえてきます」(地元記者)

 捜査員に対し事件当時のことを「バイクで通りすがりにやった」と単に金銭目的だったことを匂わせる発言や「わいせつ目的だった」と供述する鹿嶋容疑者。北口さんに着衣の乱れやわいせつな行為をされた形跡はなく、廿日市署捜査本部は供述の裏付けを進めている。捜査関係者によると、鹿嶋容疑者は「面識はなかった。(事件直前に)偶然見かけて後をつけた」とも供述。北口さんの周辺でも同容疑者との接点は浮かんでいない。容疑者の二面性が謎を深める。それにしても、「わいせつ目的」の供述と「着衣に乱れ無し」の矛盾はどういうことだ。

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