大みそかに防衛戦をやるということはどういうことなのか。井岡の試合を放送するTBSとの連動以外にほかならない。8月10日、井岡の初防衛戦のTBS系列での平均視聴率は関東地区で16.6%、地元の関西地区では19.2%の高視聴率をマーク。この好結果にTBSは、井岡陣営に今後の全面バックアップを約束していた。
これまで、TBSは大みそかのNHK「紅白歌合戦」の裏番組として、長年、格闘技イベント「Dynamite!!」の放送を続けてきた。しかし、同イベントを主催するFEGが、ほぼ死に体となったことで、番組を制作してきたTBSの格闘技班はすでに解散。「Dynamite!!」自体は、総合格闘技団体DREAMが主体となり、今年もさいたまスーパーアリーナで開催されることが決まっているが、大みそかの特番として放送される可能性は極めて低い。
そこで、浮上したのが井岡の防衛戦だ。前回の試合で高視聴率を弾き出したとはいえ、井岡の知名度はまだ亀田兄弟に劣る。しかし、8月のV1達成以降、井岡は民放各局のバラエティ番組に多数出演し、ボクシングに興味がない層に顔を売ってきた。これは、紅白に対抗するための布石ともいえる。TBSの発表が待たれるところだ。
(落合一郎)