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地下鉄の通路にあるこれ、何?

 衣替えの季節、都内でも、学生たちの夏服が街を彩っている。しかし、梅雨空の下では、傘を持ち歩くことも多い。

 そんな時期にありがたいのが、地下鉄の駅などにつながる通路。雨の中、地上に出ずに会社まで行き来することができる人もいるのでは。実はこの地下通路、いろいろな趣向が凝らされている。

【地下鉄の父の像】
 東京都中央区にある東京メトロ銀座駅付近の地下通路に、地下鉄の父と呼ばれる早川徳次(のりつぐ)の胸像がある。明治14年(1881年)生まれの早川氏は、昭和2年(1927年)、最初の地下鉄を、浅草・上野間で開業した。約2.2キロメートルだったという。

 早川氏の胸像は、中央分離帯の役割を果たす柱の前にある。高い台座の上に置かれている。朝晩のラッシュ時には途切れることのない人の流れを見つめている。今日の都市の有様や、交通の発展を見つめながら、早川氏は、何を思っているのだろうか。

【日本ポルトガル友好記念の壁画】

 同じく中央区にある日本橋駅付近の通路の壁に、大理石の壁画がある。壁画と並んで埋め込まれているプレートに、壁画の由来が記されている。ポルトガル人が種子島に漂着した天文12年(1543年)以来、450年間の友好を記念して平成5年(1993年)にリスボン市地下鉄公社からこの壁画が寄贈されたそうだ。

 壁画の中には、九州とポルトガルの地図がある。魚、アンモナイト、書物に混ざって、帆船が一艘(そう)、描かれている。

【地下通路がギャラリーに】

 千代田区では、市ケ谷駅へ続く地下通路の壁が「地下道プロムナードギャラリー」になっていた。記者が訪れた時は「写真とコトノハ展」の期間中で、言葉を添えられた写真が、人々の目を楽しませていた。

 また、通路には、タイルを使った大きな壁画もあり、「そめいよしの」「ゆりかもめ」「いちょう」などが描かれていた。

 普段は急ぎ足になりがちな地下通路だが、いつも通り抜けている場所で、辺りを見回してみてはいかがだろうか。(竹内みちまろ)

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