<プランBで大会準備を進めていく方針が確認>
8月15日、米国デンバーでMLB・オーナー会議が開かれ、日本不参加を前提とした『プランB』で大会準備を進めていく旨が確認された。その内容は既報通りだが、日本は同大会を主催するWBCインク(以下=WBCI)から最後通告も突きつけられていることが分かった。
「同21日、NPBは12球団代表者会議を開きましたが、WBCIと『収益分配の改定』を求める選手会の板挟みにされた立場を確認するだけでした。どうなるかって? 選手会は折れないと思う…」(球界関係者)
第3回大会は不参加−−。その口ぶりからして、NPBのオーナーサイドは“最悪の事態”も覚悟しつつあるようだ。
「WBCIは『8月中に最終結論を出してほしい』とも通告してきました。プランBで大会準備を進められており、他の参加国も日本不参加を前提に第3回大会を考えています」(前出・同)
現行ルールに従えば、主催のWBCI以外は収益を得られない。他の参加国が日本の選手会の主張に賛同しなかったのは、ちょっと驚きである。
「アジア地区予選を実質主催してきた読売新聞社グループも、内々に分配金の改定をWBCIに打診してきました。WBCIは『日本の正式な交渉窓口はNPBだから』と言葉を濁すだけだったそうです」(同)
その通りだとすれば、「WBCIは分配金を改定する意志が全くない」ということだろう。ちょっと傲慢な感じもするが…。
第3回大会の不参加が正式決定した場合、日本のプロ野球界が被る打撃は「3連覇の夢を自ら放棄した」という“気持ちの問題”だけではなさそうだ。野球・日本代表チームを常設する計画があるのは今さらだが、大会不参加となった場合、『常設・日本代表チーム』への出資を検討していた大手企業も「撤収する可能性」が出てきた。
「常設する代表チームによる単独興行で、WBC大会での収益不足を補うというビジネス計画はもちろんですが、東日本大震災の復興チャリティーを行う予定もあります。でも、世界大会に出ない代表チームに出資価値があるかどうかは疑問です。企業側が強い長になるのも当然」(同)
第3回大会前、『常設・日本代表チーム』はキューバを招き、親善試合を行う予定も立てていた。しかし、日本が不参加を正式表明した場合、キューバも大会直前にスケジュールを割いてまで来日する理由はなくなる…。『日本人メジャーリーガー&アマチュア、日系メジャーリーガー』による“急造チーム”での参加案も一部からは出ていたが、関係団体にまだ打診されていないことが分かった(8月20日時点)。常設チームに関し、スポンサー企業は難色を…。「分配金の改定」を求める選手会の主張は正論だが、このまま行けば、NPBは世界から取り残されてしまうだろう。