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最悪の事態も… WBC参加問題で「悪夢の第2ラウンド」が始まる?

 プロ野球経営陣と選手会が『WBC参加問題』について協議した(8月1日)。結論を先に言えば、選手会側の『不参加の意志』は変わらなかった。これを受け、経営陣は12球団代表者会議で今後の対応策を話し合うことになったが、WBC不参加が正式決定した場合、「悪夢の第2ラウンド」が幕を開けるかもしれない…。「悪夢の第2ラウンド」とは、近鉄、オリックス両球団の合併問題時に勃発した経営陣と選手会の対立抗争だ。

 「04年の合併騒動では何度も協議を重ねました。以後、選手会とは建設的な意見交換をしてきたつもり」(在京球団職員)
 先の協議で、選手会は改めて主催者側が掌握する『日本企業のスポンサー権の帰属』について疑問提議した。
 本当は経営陣も米国側主催者のやり方に首を傾げている。主催国以外は黒字にならないと言っていいくらいで、過去2大会は「日本は優勝賞金が入ったから辛うじて赤字を免れた」(前出・同)のが真相だ。
 日本の経営陣は米国側主催者が強気な態度を変えないため、代表チーム・侍ジャパンを常設する折衷案を出した。米国側主催者は「WBC参加以外のために招集される代表チームの興行には口を挟まない」とそれを容認したので、常設される『侍ジャパン』の単独興行等でWBCへの参加経費等を補填する方向でいた。選手会はそれを受け入れてくれなかったが…。

 プロ野球解説者の1人が「No!」を突きつけた選手会側の気持ちをこう代弁する。
 「通常、調整期間である3月にベストコンディションに持っていく苦労は相当なもの。大会中に怪我をした場合は『公傷』として認めてくれるのかどうかなど、曖昧な部分もあります。WBCが米国主導のままでは国際大会として発展していかない」

 加藤良三コミッショナーは選手会が不参加を表明した7月20日時点で、「出ない影響を考えなければならない。WBCの持っている意義はカネに換算できない」と語気を強めていた。このまま選手会と折り合いが付かず、正式に『不参加』を通達することになれば、常設される侍ジャパンの存在価値もガタ落ちだろう。常設チームによる震災復興等のキャリティー興行も考えており、その点に関しては選手会側も賛成していたが、「日本企業のスポンサー権の帰属問題」が改善されない限り、不参加の意志は変わらないという…。

 前出の在京球団職員が『新情報』を提供してくれた。
 「『大会スポンサー』とは別のスポンサーも募る方法です。ヘルメットやユニフォームにロゴをつける方法を米国側主催者に提案し、そのロイヤリティーを折半するんです。その収益を選手会にも還元できる約束をすれば…」
 米国側主催者がどういう反応を見せるかは、全くわからないが…。
 選手会の主張は正論である。また、強気な米国側と折衷し、現実的な解決策を見出そうとしている経営陣も、もっと評価されていいだろう。どちらも間違っていないだけに、「これ以上の物別れが続けば、感傷的な衝突にも発展しかねない」なる声も聞かれた。米国の主催イベントで日本プロ野球界が“分裂”するとしたら、それこそ最悪の事態だ。

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