今月19日に更新したブログで、このような言葉を綴ったのは大相撲・鳴戸親方(元大関琴欧州)。自身が構える鳴戸部屋で起こった不祥事について、ファンに謝罪の意を表明した。
昨年から今年にかけて、兄弟子が弟弟子に度々暴力を振るっていたことが明らかとなっている鳴戸部屋。これを受けた日本相撲協会は8日の臨時理事会において、加害力士に「引退勧告相当」、加害力士と共に関与した力士に「注意処分」、未成年の力士に「指導処分」、そして鳴戸親方に「報酬減額処分」という結論を下している。
多くの相撲ファンが、失望やショックを持って受け止めたこの一件。図らずも当事者となってしまった鳴戸親方にとっても、痛恨の極みであったことだろう。
もちろん、今回起きてしまった不祥事は到底許されないものであり、弟子の狼藉を防ぎきれなかった鳴戸親方にも一定の落ち度はある。しかし、それを隠ぺいすることなく協会のコンプライアンス委員会に報告し、処分を受け入れたその姿勢は大いに評価されるべきだろう。
また、現時点では失敗の域を出ないこの不祥事も、今後の取り組み次第では貴重な経験となる可能性もある。実際に当事者となった鳴戸親方が、他の親方に対し意識共有や注意喚起を働きかければ、角界の危機意識も大きく向上するかもしれない。
「これからは、稽古場だけではなく、生活面でも前向きに取り組むことができる環境を整え、相撲道に挑戦してよかったと鳴戸部屋全員が思えるよう、真摯に取り組んでまいります」。
冒頭のブログの最後に、今後の方針を述べてもいる鳴戸親方。今回の不祥事でもたらされた課題と反省を元に、角界の“しくじり先生”となってくれることを切に願いたい。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
鳴戸勝紀(元大関琴欧洲)の公式ブログより https://ameblo.jp/kotooshu-naruto/