「番組は、元貴ノ岩への暴行事件を理由に引退した後の知られざる1年間に『独占密着』、さらには『事件の思いを初告白』という触れ込みでスタート。インタビュアーが『相撲の神様から時計を戻してあげると言われたらどこに戻りたい?』と質問すると、元日馬富士は『あの夜ね……』と事件当夜について語り、『口で彼(元貴ノ岩)が理解するまで説明してあげられたらいいなと思います。行動(暴力)に移すんじゃなくて』と振り返りました」(芸能ライター)
だが、番組ではこの後20分にわたり、彼がモンゴルに昨年開校した小中高の一貫校「新モンゴル日馬富士学園」の紹介VTRに。理事長の立場である彼は登校時間に玄関に立ち、生徒1人ひとりに挨拶。授業では「いただきます」「先輩・後輩」「おはようございます」といった礼節を重んじる日本語を学ばせているほか、柔道、剣道、空手などの日本式教育を多く取り入れていると語った。
また、校章には富士山と太陽があしらわれているという。そして彼は、「モンゴルの子どもたちが日本と言う国を理解して、いい絆・いい人間・いい社会人を作ってあげたいなと思います」と決意を述べた。
だが、彼が再び“過去”について触れたのはラストのわずか数分。親方など多くの周囲の支援があったにも関わらず、「引退して本当に申し訳ない」と謝罪し、「人生に消しゴムはない」と語って終わった。
この放送内容に、SNS上は「やっぱり素敵な人」「今やモンゴルに学校まで建ててすごい。かっこいい」「やっぱり最高の横綱だー」と彼の人間性を評価する意見が続出。
ただ一方で、「日馬富士は学校作る前に貴ノ岩に対してしなきゃいけないことあるやろ」「引退した日馬富士の今を良い風に伝えているだけ」「事件のシンソウを教えて!」など、「事件の思いを初告白」と事前に打ち出しながら、暴行事件について深く語らなかった本人、さらにはそんな番組構成を非難する声もあった。
良いようにとれば、犯してしまった罪は残るものの、過去を振り返らず前を向く姿勢ということなのだろうが、事件を知りたい視聴者にとっては不満だったようだ。いつか本当の「シンソウ」を聞ける日を待ちたい。