○千葉ロッテマリーンズ6-1横浜DeNAベイスターズ●
<ZOZOマリンスタジアム>
☆久々登場エディソン・バリオス
ベイスターズの先発は外国人助っ人ピッチャー、”不屈の右腕”エディソン・バリオス。外国人枠の問題でファームで調整していたが、ロペスの故障とエスコバーのリフレッシュの事情もあり、ビジターでの交流戦6連戦真っ只中の今、先発として白羽の矢が立った。ファームでも先発として調整を続け、3勝2敗、防御率3.16とまずまずの内容で、4月14日ドラゴンズ戦以来の3勝目と、ローテーション復帰の意味を持つ大事な試合に挑んだ。久々の一軍マウンドの影響か、初回は高めに浮いたボールを捕らえられ先取点を許す。しかし、2回以降はMAX149キロのストレートを軸に、変化球もよく抜け、なかなかのピッチングを披露。5回85球、被安打7、四球1、死球1、失点4(自責点3)でマウンドを降りた。数字だけを見ると物足りないが、3回はエラー絡みの失点。5回もリクエストでリズムを崩された後、難しいボールをうまく打たれるなど、運に見放された面も多分にあった。本人も「ストレートも変化球も良かった。しかし、5回の失点は悔いが残る」と手応えと反省の入り混ざったコメントを残した。
☆波瀾万丈の野球人生
バリオスは苦労人として知られる。初来日は2011年、22歳の若さでベネズエラから海を渡って来た。最初に所属したのは関西独立リーグの神戸サンズ。そこでのピッチングがソフトバンクの目に留まり、晴れてNPB入りとなる。その年のオフ、育成契約となり、2012年には右肘を痛めトミージョン手術を受ける。2013年には再び支配下選手契約を勝ち取るも、翌2014オフに退団となる。しかし、2015年にソフトバンクと育成契約をすると、オープン戦で結果を残し開幕前に支配下選手契約を結ぶ。すると、セットアッパーとして大ブレイク。未だ破られていない、NPBのタイ記録となる17試合連続ホールドを達成するなど、記録にも記憶にも残る活躍を見せた。2016年にソフトバンクを退団するも祖国には戻らず、2017年BCリーグの富山サンダーバーズ入団。先発として活躍すると、今年から念願のNPBに復帰。横浜ベイスターズの開幕ローテーションをつかみ取った。
ベイスターズのラミレス監督とは同郷出身で、旧知の仲。ともにBCリーグを経験するなど共通点も多い。何しろ真面目で日本文化も好き。日本語もペラペラ。そんな好感度の高いエディソン・バリオスの成功を願っているファンは、少なくないはず。チーム内の外国人争いは激しいが、先発陣は不安定な状況が続いている。こんな時こそ、バリオスの不屈の魂が必要になる。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘