巨人の4番は岡本和真(22)ではないのか? 原辰徳監督(60)も主砲として育て上げる決意を口にしていたはずだが…。
「21日、練習を一人で早々に切り上げ、別メニューとなりました。怪我ではなく、かなり疲れがたまっているみたいで、首脳陣がこのまま他選手と同じ練習をさせていたら怪我につながると判断し、別メニューにしたんです」(スポーツ紙記者)
前日の20日は韓国・KIAとの試合に4番で出場した。22日は休養日となっていたため、23日からチーム合流とも思われたが、そうではなかった。週末の対外試合でも休養をもらったということは、相当疲れていると見るべきだろう。
「ケガを負ったと勘繰るメディアもありました。球団は否定しています。軽いメニューではあるが、練習を続けているので、今は球団の発表を信じるしかない」(前出・同)
開幕まで、約1カ月もある。無理をする時期ではないが、気になる情報も交錯している。岡本が開幕に間に合ったとしても、昨季のような活躍を収めることができるのか…。その際、原監督は我慢して4番で使い続けるのか、それとも、大型補強の効果で代役を立てるのだろうか。
「仮に岡本が不振に陥った場合、原監督が我慢してでも使うべきと判断すればそうなりますが、そうするにはいくつかの条件が必要となります。まず、3番と5番、岡本の前後を打つ選手が好調なこと。それから、チームが勝ち続けていくことです」
コーチ入閣の経験を持つプロ野球解説者がそう言う。
3番には坂本勇人か、丸佳浩が入る予定。原監督は「2番・丸」の攻撃的な打順も示唆しているから、坂本が有力だろう。実績十分の坂本はともかく、不安が残るのは5番だ。外国人選手が予定されているという。ゲレーロか、ビヤヌエバのどちらかだ。ゲレーロは気まぐれな性格が災いし、昨季は不振に終わった。ビヤヌエバは来日1年目。変化球の多い日本人投手の配球に適応できるかどうかは、オープン戦終盤になるまで判断がつかない。両外国人選手は計算が立たないのだ。
一方で、こんな評価も聞かれた。巨人を偵察するライバル球団のスコアラーが、今、もっとも警戒しているのは、丸でもなければビヤヌエバでもなかった。2年目の捕手・大城卓三(26)だ。
「新人だった昨季も良いバッターだと思いましたが、プロのスピードにも慣れたのか、打球がより鋭くなった。大城がスタメンに入ったら、はっきり言ってコワイ。でも、ポジションが捕手なので、阿部、小林(誠司)、炭谷(銀仁朗)との競争になる。主に代打起用になりそうだが、もったいないね」
NTT西日本時代は一塁の守備に入ることもあった。一塁はビヤヌエバが入る予定なので、こちらもチャンスはなさそうだ。また、原監督は6年目の和田恋に期待を寄せており、登録は外野手だが、一塁の守備練習を受けさせていた。大城を一塁で使うとなれば、レギュラーが予定されている選手の守備位置を大きく動かさなければならなくなる。
「大型補強がなければ、大城の打撃力は巨人内でももっと評価されていたと思う」(前出・スコアラー)
岡本の後を2年目の生え抜き・大城が打つ。そういう打順なら、ファンも応援しやすくなるはずだ。岡本の“休養”がこのまま長引いた場合、5番バッターを誰にするのか、もう一度、冷静に考え直す必要が出てきそうだ。(スポーツライター・飯山満)