フェスティバル/トーキョー『迷子になるわ』(五反田団)と題されたこの作品について前田本人はこう述べる。
『女の人が東京や実生活で迷子になる話です。今回もバカバカしい内容です。書いている僕自身が、うまく迷子になれたのかどうか。まだよくわからないですが、作家として何かの転換機になる作品な気がしています』
昨年秋、同じ劇場でダブル上演された、『生きてるものはいないのか』(第52回岸田國士戯曲賞作)、『生きてるものか』をはじめ、数々の前田作品には人間の奥深い心理や死、思いやりなど、通常では見えにくいモノが役者たちのユニークなセリフや動きに現れている。一見軽そうに見えて実はかなり重い内容の演劇と言っていい。演劇らしいきめゼリフや回りくどい解説が無い事について前田は、ケータイ、メール世代の文字や記号による理解力と感情表現を重視しているからとも。30代前半の前田はさらに下の世代へのメッセージが強い。
フェスティバル/トーキョー『迷子になるわ』は、11/5(金)〜11/14(日) 池袋芸術劇場小ホール1にて上演。チケットは現在発売中、詳しくは フェスティバル/トーキョーのHP
<http://festival-tokyo.jp/>をチェック。