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IT業界パニック必至!『サマータイム案』のサマータイムブルース

 2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として政府・与党内で検討されている「サマータイム」(夏時間)導入案は、秋の臨時国会での議員立法提出を目指すようだ。

 サマータイムとは、日照時間の長い夏に一斉に時計の針を1〜2時間進め、太陽が出ている時間帯を有効活用しようという試みのこと。最も暑い6〜8月を軸に数カ月間だけ2時間繰り上げる方向で、もし導入された場合、例えばマラソンを現在の日本時間での午前5時にスタートして、太陽が高くなる前にレースを終えることができる。

 今のところ2019年に試験導入して20年に本格導入する案が有力で、この2年間だけの限定導入となる公算が高い。

 「かつてはGHQの指示で1948年〜1952年に導入されていましたが、当時はコンピューターがなかった。現代ではコンピューターが大きなネックになります」(経済記者)

 そこでサマータイム導入に戦々恐々なのがIT業界だ。標準時が1〜2時間早められると、コンピューターシステムの大規模改修などが必要になる。業界には商機だが、ただでさえ忙しいエンジニアにとっては「働き方改革」どころの話ではない。

 そうでなくてもIT業界で働くエンジニアたちの労働実態は過酷だ。厚労省の「毎月勤労統計調査」(16年)によると、「情報通信業」で働く人たちの「年間総実労働時間」は1933時間と、全産業(1724時間)より1割以上多い。自ら働き方をコントロールすることが難しい職種でもあり、そのうえ人手不足にも悩まされている。

 分かり切っている大きな問題として、サマータイム初日は1日が24時間よりも短くなるため、日付変更の時期によって金利計算が変わるなどの膨大な影響を確認する必要があることだ。

 「大半のIT企業は、作業量自体も見通せていません。もともと新しい元号となる来春に向けたシステム改修もあるため、テストや確認の時間が確保できるか全く見通せないのが現実です」(ある大手IT企業)

 プレミアムフライデーやらシャイニングマンデーやらの横文字キャッチフレーズが大不評を食らっているお上がやることだけに、サマータイムも“サマータイブルース”などと冷やかされないよう、しっかり取り組んでほしいものだ。

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