偶然にもこの日のコメンテーターは、女優の遠野なぎこ、小説家の室井佑月、著述家の湯山玲子と女性陣のほか、“ココロは女”のクリス松村がそろっている。蒼井の決断についてそれぞれの意見がかわされた。
遠野は率直に感じたこととして、「その人の自由でしかない」と話しながらも、「子どもは親を選べない。もし自分が若いころにAV女優になろうと思ったら、普通の幸せを手に入れる道をあきらめたと思う。今はネットの時代、子どもが早い時期に親の過去を知る。誰が親のセクシーな姿を見たいですか?」と問いかけた。今回の件には蒼井を応援する声が多いが、あえて逆張りの意見を突き付けたといえる。
さらに、遠野は「そもそも妊娠を公表すべきなのか。彼女のエゴではないか」とも話した。ネット上でも「厳しい意見だろうけど、これが大多数の人の本音じゃないの?」「この人、親から虐待受けていたんだよね。そうなると『子は親を選べない』って言葉も深くなるわ」といった声が見られた。
遠野に真っ向から反論したのが室井である。「顔出しでエロ(小説)とかも書いてきたけど、それで息子が何か言ってきたら『それでお前を食べさせてきたんだから』と言う」と反論。これにもネット上では「これはいつもの室井節って感じ」「みんな彼女みたいに強くなれればいいんだけどねぇ……」といった声が見られた。
また、湯山は「ちょっと前だったらストリッパーや娼婦の子どもみたいな立場になるのかな。今はAVって私たちの世代と違って、おおっぴらになってきている」と社会の変化を指摘。さらに、クリスも海外の例を出し、「オランダでは売春が国家に仕事として認められている。それで学生が学費を稼いだりしている」と話した。だが、これらのケースはあくまで一部の先進的な話であり、現実社会はそこまで寛容ではないのも確かだろう。ネット上でも「海外はそうでも日本はそうとは限らないよな」「蒼井そらは有名人だからいいとしても、ほかの無名AV女優の場合はどうなるんだろう。出演強要とかの問題もあるよね」といった慎重な声が聞かれた。
番組では湯山が「偏見は絶対にあるので、彼女はどれだけ覚悟して長い子育てに付き合っていくのか」と話し、遠野も「子どもを全力で守っていってあげないと」と同調。室井は「とにかく偏見に負けないでもらいたい」とエールを送った。蒼井を応援したい気持ちはもちろんあるとしても、きれいごとでは済まされないのが実際のところなのだろう。