「最初は、なんで高校生にSMが必要なの? とわからなかったです。SMと高校生のピュアな恋愛というのは結びつかなかったですね」と語る栩原。ただ、緊縛師の先生から、「SMは奉仕するもの。キツイ言葉を吐きつけているのも、相手を喜ばせるため」という言葉を聞いてから、SMに対して理解ができるようになっていったとか。今回のために“縛る”練習もしたという。「男性スタッフさん相手にやったり、家では椅子にとか」。今回の映画でSMに対する考え方は大きく変わった。
永瀬も当初は戸惑ったようだ。「とにかく衝撃的でした。台本を読ませて頂いた段階では、演じきる自信はなかったです」と語る。「縛られているシーンでもいっぱいいっぱいでした。恥ずかしかったですし…」。しかし、撮影が進むにつれて、ナナの気持ちも理解できるようになり、ちょっとづつ余裕が生まれたという。
映画『ナナとカオル』は、思わず「この二人は今後、どうなっていくの?」と気になるラストシーンが用意され、続編も期待される。続編ができた場合、また、同じ役に挑戦してみたいかとの質問には二人とも、「ぜひ!」と答えた。
ところで、映画の中では、S役が栩原、M役が永瀬だが、プライベートではどうなのか。「今、悩み中です。昔は絶対にSだと思っていたのですが、今回の撮影で縛っている時に、“自分が縛られていてもおかしくないのかな…”とか思ってしまいました」と栩原。一方の永瀬は、「しゃべり方とかでMだと思われることが多いのですが…私は結構、気が強いのでSだと思います」とのこと。
最後に栩原は、「SMと聞くと“エロを探究した末に行きつく”と思う方が多いと思うのですが、『ナナとカオル』では、ひとつの恋愛の形としてSMが描かれています。こんな恋愛もしてみたいと思ってもらえる内容になっていると思います」。永瀬は「原作のファンの方にも、ぜひ見て欲しいです。SMのイメージをくつがえすことができると思います」と二人とも胸を張った。
映画『ナナとカオル』は3月12日(土)渋谷ユーロスペースにて、あなたと秘密のレイトショー。3月29日よりDVD&ブルーレイで発売されることも決定。