運転手の免許の期限は5月5日までだったが、失効したことに気づかず、同6〜12日のうち5日間勤務。計約37時間、桧原営業所〜JR博多駅の路線などで運転。約1600人の乗客が乗車したとみられる。
同社によると、運転手はバス運転歴10年5カ月のベテランで、免許の更新を忘れていたという。乗車前の点呼で免許証を運行管理者に提示していたが、チェック者が失効していることを見落としていた。
今年6月末までに有効期限が切れる運転手の更新予定者リストには、この運転手の名があり、5月14日に営業所の運行管理者が確認したところ期限切れが判明。運転手と運行管理者は14日、福岡県警南署に届け出た。
再発防止策として、同社では、「点呼時、乗務員に免許証の提示を再徹底させ、点呼執行者と双方で確認する」「運転免許有効期限1カ月前(誕生日)までの更新を指導・徹底する。1カ月前(誕生日)までに更新をしていない乗務員を営業所長がチェックする。さらに、本社安全推進課が更新状況を管理する」としている。
15日に記者会見した西鉄自動車事業本部の戸田康一郎業務部長は「重大な法令違反と認識しており、お詫びします。バス事業者としてあってはならないこと。再発防止に努める」と陳謝した。
西鉄バスではこれまでにも、11年12月に門司自動車営業所の運転手が免許停止中に路線バスを運転。13年8月には西鉄観光バス北九州支社の運転手が、乗務前の呼気検査で他の運転手に息を吹き込ませるなどの不祥事が起きている。
(蔵元英二)