さて今回は、スナックのママにそれとなくアプローチするテクニックを教えましょう。金持ちならばカネをジャブジャブつぎ込めばいい話なんですが、なかなかそうはいきません。ナンパな男はやたらママを褒めてみたり、大きな花束をプレゼントします。しかし、それでは侍魂がすたるというもの。ママのほうからその気にさせるのです。
店に入ったら、小さく「こんちわ」とあいさつします。カウンターにゆっくりと座り、ひと呼吸置いてバーボンをオーダーします。だれですか、「焼酎の水割りを飲みたい」なんて言っているのは。硬派な男はバーボンと相場が決まっているのです。グッと堪えてください。
ひとりでバーボンをちびちびやっていると、ママが「きょうはお仕事の帰り?」などと言ってきます。この手の世間話には「ああ」「うん」ぐらいしか返す必要はありません。ただし、すこーしだけほほ笑むようにしましょう。表情まで硬いと怖がられますから。
ママが“変わったお客さんだな…”と思い始めたら作戦は80%成功したも同じ。バーボンをあおっておもむろにむせ返ってみましょう。大丈夫? などと声をかけてきますので「ああ。大丈夫。ありがとう」と単語を短く区切って答えます。
さあ、いよいよフィニッシュです。シブさを存分に漂わせたうえでキスチョコを追加オーダー。これだけでママは完全に母性本能をくすぐられてしまうから不思議です。