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あなたも死刑判決を下す日が来るかもしれない…その前に啓発フィルムで学ぼう

 11月25日、元交際相手の家族を殺害した少年に対して、裁判員は死刑判決を下した。制度が始まってから死刑判決は2例目、少年に対してでは初だ。

 2009年から始まった裁判員裁判も今年の8月時点で5222人もの人が経験している。私やあなたが選ばれる可能性だって十分あるのだ。その時、私たちは適切な判断ができるだろうか? きちんとした振る舞いで裁判を進行できるだろうか?

 そう不安に思っている人のために、裁判所は素敵なプレゼントを用意してくれている。2007年制作の『ぼくらの裁判員物語』は裁判の仕組みや裁判員のあり方を教えてくれるアニメ形式の啓発フィルム。企画・制作をなんと最高裁判所、プロデュースをあの電通が行っている。アメリカには陪審員制を描いた『12人の怒れる男』という名作映画があるが、こちらも負けていない。何せ裁判所が自ら制作しているし、アニメは日本のお家芸だ。

 舞台となるのはごく普通の高等学校。不真面目で勉強もあまりできない別所翔太は、クラスメートで秀才の栗原茜に思いを寄せている。どうにかして仲良くなりたいが、頭の出来も違うし接点が見つけられない。この2人の恋愛模様をメインに、ストーリーは進行していく。
 ちなみに別所の声は人気テレビアニメ『名探偵コナン』のコナン役でおなじみの高山みなみが担当。税金を使って有名な役者を起用するのは啓発フィルムの特徴の一つ。鑑賞する際は、その辺も頭に入れておくと楽しみが増える。
 その別所は栗原との接点を探そうと、コナンばりに栗原を尾行する。そして、友人との会話を盗み聞きし、彼女の将来の夢が裁判官であることを知るのだ。
 別所はない頭をしぼって、「裁判について詳しくなれば仲良くなれるのでは」と思いつくが、勉強していない人間がいきなり堅い本を開いたってさっぱりわからない。そこへ別所の魂胆を知った図書管理の涼子先生が入門用のDVDを貸してくれる。ちなみに涼子先生は『ルパン三世』で峰不二子をやっている増山江威子が声優をしており、無駄にセクシーでエロい。

 だが、実はそのDVDは本来は栗原が借りる予定のものだった。偶然かエロい涼子先生の計らいか、別所と栗原は視聴覚室で一緒にDVDを見ることになる。そして、2人で裁判と裁判員制度について知っていく、というのがこのアニメの筋書きだ。

 好きな人と仲良くなるためにあれこれと行動を起こす別所の衝動は、誰もが理解できることだと思う。しかし、恋に対するこの衝動は時おりネガティブに反転してしまうこともある。

 恋心が憎しみへと変わりそうになったときは、別所のピュアな衝動が思い出そう。自分がピュアだったときのことを思い出そう。そうすれば、心を落ち着けることができるかもしれない。

(啓発フィルム研究家・菊池良)

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