◇今週のこの1枚◇ウイングス「Wings over America」(1976年/EMI)
多分、中学校から高校にかけて一番聴いたアルバムだと思います。ライブ盤でLP3枚組だったので、その当時は当然カセットテープに録って聴いていたので、まさしく一番長い120分テープが伸び伸びになって切れるまで聴いた作品です。
ビートルズが解散して、あのメロディーメーカーのポール・マッカートニーでさえ自信を無くし、世捨て人のような生活を牧場で過ごしていましたが、やはり音楽とは断ち切れるはずもなく、ソロアルバムを経由してウイングスを結成します。ビートルズと比較され、評論家からは酷評されたりしますが、それをはねのけ徐々にヒット曲を連発し、その絶頂期にアメリカで録音されたライブアルバムです。
ハードロック調のものから、もちろんバラード、アコースティックナンバーまで魅力を惜しむことなく出し切っています。この前の時代まで、ビートルズナンバーは封印していたのですが、セールス的にも自信を取り戻したため解禁しています。ポールの声も太く瑞々しく、演奏も、若さと経験がマッチした最高の状態だと思います。バンドに拘ったポールらしく、他のメンバーが歌った曲も収録されています。全ての規模でビートルズを超えたツアーでしたが、テンションとリラックスがまさしくマッチしたアルバムだと思います。
今年に入ってリマスター盤が再発になり、同録のDVDも発売されました。色々なスペシャルパッケージ版などもリリースされ、私個人としては本当に大切なアルバムなので、大人買いで、その当初のパンフレットからチケットからDVDに入っていない映像を収めたものまで入っているスーパーデラックスエディションを購入しました。今の、音楽が飽和した時代に、またこのアルバムが面白く感じます。
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