「このユニフォームを着た最初の試合に勝てたのは、大きいんじゃないですか」
2日の試合で8失点をしたにもかかわらず、9得点でカード頭の勝利を収めた西村徳文監督は、大観衆を集めた人気イベントの初戦に勝てた喜びを口にしていた。いかにもファンを大切にしている西村監督らしい発言である。チームはこの勢いに乗って翌3日は、“神童”山本由伸の快投もあり2連勝。今年の夏の陣、最初のカード勝ち越しを最短で決めてみせた。試合後、由伸は9回のマウンドに向かう際に「オリックスファンとの一体を感じた」と語っている。この日は、ランナーを残した段階でディクソンに交代し、今季2度目の完封勝利はお預けとなったが、「チームが勝ち切れて嬉しい」とチームの勝利を喜ぶとともに、「ファンの期待に応えたい」と改めて感じたそうだ。
今年の夏の陣ユニフォームは、選手にも大好評で、他球団ファンからも「強そうに見える」と評価が高い。球団関係者からも「今まで使って来なかった黒というのが良かったのかもしれない。僕らが見ても強く見える」という声が聞かれていた。3戦目は敗れてしまったが、接戦だったことを考えると、3試合ともに、“荒ぶる猛牛”をテーマにしたアグレッシブブラックユニフォームが、チームに与えたパワーは大きかったと言えるだろう。
23日からは、北海道日本ハムとの3連戦(京セラD)で、再び夏の陣が行われるが、特別ユニフォームで選手の評価がここまで高いのは、2014年の優勝争いを演じたスピリッツユニフォーム以来のこと。関係者は「ビジターで着ても面白いかもしれないですね」とも話しており、次の夏の陣3連戦の結果次第では、最下位からの下克上に向けて、アグレッシブブラックユニフォームはひと役買うかもしれない。
(どら増田)