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150万円で売り渡す フィリピン人女性をわいせつ目的で人身売買

 警視庁保安課は7月3日までに、フィリピン人女性をわいせつ目的で売買したとして、人身売買容疑で、無職の男・A(64=神奈川県川崎市高津区千年=監禁致傷罪で起訴)と、フィリピン国籍の妻で会社役員の女(60=同=同罪で起訴)、自営業の男・B(66=同区久末=犯人蔵匿容疑で逮捕)を再逮捕した。

 同課によると、わいせつ目的での人身売買容疑の摘発は全国初だという。

 逮捕容疑は、5月12日、同区内のAの自宅で、観光ビザで呼び寄せたフィリピン人女性(23)をわいせつ目的で、現金150万円でCに売るなどしたとしている。Cは容疑を認め、「愛人が欲しかった」と供述している。

 女性はアラブ首長国連邦ドバイのホテルで働いていたが、Aと関係があるとみられるフィリピン人の男から、「日本に行けば稼げる」と誘われて、フィリピン人の同僚2人とともに、5月7日、観光ビザで来日。フィリピン人の男に言われるがまま、Aの自宅を訪ねたところ、1週間近く監禁されたという。

 3人のうちの1人は、日本人の男に30万円で人身売買されたが、逃げ出して東京都港区のフィリピン大使館に助けを求めたため、事件が発覚した。同課は、Aと妻が02年以降、少なくとも20人のフィリピン人女性の偽装結婚を仲介したとみて裏付けを進めている。

 この夫婦は、5月15日、Aの自宅で女性(28)を模造刀で脅すなどして監禁し、暴行して軽傷を負わせたとして、監禁致傷容疑などで逮捕されていた。
(蔵元英二)

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