福岡県警捜査2課は5月19日、福岡県中間市職員らによる生活保護費の不正受給事件で、詐欺の疑いで、同市職員で生活保護費の支給担当だった藤崎靖彦容疑者(44=同県北九州市八幡西区)を逮捕した。一連の事件で市職員の逮捕は3人目で、受給者らを合わせた逮捕者は7人になった。藤崎容疑者は、プロ野球読売巨人ジャイアンツの元選手。
県警によると、藤崎容疑者は「必要な調査をせず、ウソの結果を報告した」などと容疑を認めている。
逮捕容疑は10年から11年にかけ、中間市職員・田中道(わたる)被告(40=詐欺罪で起訴)らと共謀し、生活保護を受けていた無職の女(65=公判中)の世帯に、同居実態のないフィリピン国籍の女(44)を編入したほか、10年8月、北九州市に住んでいた無職・千代丸久恵被告(40=詐欺罪で起訴)が中間市に住んでいるように見せかけ、生活保護費計約56万円を不正受給した疑い。
関係者によると、藤崎容疑者は田中被告と同じく中間市のケースワーカー。田中被告から引き継ぐ形で10年7月から11年3月にかけ、千代丸被告を担当した。
この事件を受け、20日に会見した同市の松下俊男市長は、「誠に遺憾で、事件のうみを出し切ってしまわないと中間市の再生はない」などと謝罪した。
藤崎容疑者は福岡・豊国学園高校を経て、社会人野球の新日鐵八幡で外野手としてプレー。90年のドラフト会議で3位指名を受け、巨人軍に入団。同年のドラフト1位で巨人に入った元木大介とは、同期入団だった。91、92年の2年間在籍したが、1軍での試合出場はなく、92年オフに自由契約となった。
退団後、94年に中間市役所に入った。田中被告とは同じ少年野球チームでコーチを務める間柄だったという。
(蔵元英二)