妻に逃げられ、引きこもりの息子・健介(大東俊介)とキャバクラでバイトするギャルの娘・麻衣(倉科カナ)とのコミュニケーションがうまくいかない、冴えないサラリーマンの栗原紀彦(高橋克実)。自分の誕生日を家族で過ごそうと娘と息子に懇願するが、二人とも聞く耳を持たない。そこに46年前、雪山で行方不明になった紀彦の父・栗原稔(藤原竜也)が当時の25歳の姿のままで発見され、奇跡的に生きかえったというニュースが飛び込んでくるが…。
「カイジ」では重苦しかった藤原のセリフ回しは古風な稔の「べらんめぇ口調」にぴったり。イキイキした25歳の稔が、大人になってすっかりしょぼくれてしまった息子の紀彦(現時点では息子と認めてない)のピンチをどう救うか今後展開が楽しみ。夫婦じゃなくて今度は兄弟役で出演の倉科カナと大東俊介は朝ドラ「ウェルかめ」コンビと、菊池桃子、石橋蓮司などの大人キャストがドラマを盛り上げ、深夜じゃなくてゴールデンでもいけそうな贅沢なドラマに。毎日30分というのも意外に見やすいかもしれない。
だけどひとつだけ気にかかるのは、このドラマの「氷漬けにされた25歳の主人公が生きたまま現代に蘇り、強いリーダーシップを発揮してギャルやダメな若者の心を掴んでいく」というお話(まだそうなるか分からないけど…)が、少年マガジンで今年の夏まで連載されていた漫画「ゼロセン」にそっくりな事。「氷山で戦死したはずの25歳の軍人が現代に蘇り、教師としてギャルと共に不良高校生たちを立ち直らせる」という筋立ての右翼チックなこの作品。大変面白く大ファンだったチャッピーは連載終了がそりゃ悲しかったわ。しかしそれから数か月たってぜんぜん違うメディア(テレビドラマ)から「ゼロセン」のスピリットを受け継いだ藤原竜也に出会えるとは思わなかったし、うれしいのか悲しいのか良く分からないけど、とにかく『おじいちゃんは25歳』は、必ず全話見たいはと思うの。でも、これを見た後、「広州アジア大会」が始まってそれも流れでそれも見ちゃうから、いつもよりもだいぶ寝不足になっちゃうんだけどね。(チャッピー)