今年2月の第3回大会は蝶野正洋がかつて新日本プロレスでムーブメントを巻き起こしたTEAM2000が柱だった。武藤は、第1回大会と同じく藤波、長州、ライガーとのタッグで、TEAM2000の天山広吉、ヒロ斎藤、AKIRA、そして小島聡の代役としてスーパーJも参戦。スーパーJはnWoスティング、新日本マットで活躍したレスラーで、Xとして登場した。まだリングに上がるコンディションにはないという蝶野正洋はセコンドで登場したが、試合に介入するなど元気な姿を見せた。
過去3回の大会はいずれも後楽園ホールを超満員札止めにすることに成功している。観客の大半は90年代にプロレスを見ていた世代で、現在のプロレスとは疎遠になっている人も多いという。武藤は先日亡くなったマサ斎藤さんをマスターズに呼びたかったそうだが、マスターズは今のプロレスしか見ない世代にも見てもらいたい大会だと思う。なぜなら、プロレスは歴史を知れば知るほど楽しみ方が増えるからだ。
第4回大会は、かつて新日本と全日本プロレスの両団体で活躍した超党派ユニットBATTの復活を目玉に、8月21日に後楽園ホールで開催することが決定した。試合に出場できない武藤は前回、リングで暴れられなかった蝶野のようなポジションになるだろう。“黒幕”と言われた馳も1年ぶりに復帰。太陽ケア、新咲人生、そして凱旋帰国から新日本を退団するまでの短い期間所属していた大谷晋二郎がタッグを結成し、平成維震軍と対戦する。
その他にも藤原喜明と維新力と対戦する。グレート小鹿&キム・ドクの日本プロレス出身コンビは、コリー・ガスパー&カリー・ガスパーの新生ガスパーズと顔を合わせる。SATO&獅龍&ケンドーのユニバーサルプロレスからみちのくプロレスに続くトリオは、NOSAWA論外率いる東京愚連隊と対戦する。90年代にプロレス界をにぎわせたユニットや再会、復活が大会の目玉だ。ベテラン選手から、インディー団体で活躍したユニット、懐かしのカードが実現するのもマスターズの魅力のひとつだろう。
今後、この輪がどこまで広がるのかは分からない。ただ、長州が来年の引退を示唆するなど、80年代から2000年代前半まで活躍した選手が相次いで引退、もしくは亡くなっている状況だ。藤波が昨年ベイダー(今年死去)を、今年ボブ・バックランドをそれぞれ招聘し試合したように、武藤には幅広い選手を招聘してもらい、ワールドワイドなプロレスリング・マスターズの実現を期待したい。
【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.17】
写真 / どら増田