広島が菊池涼介のポスティングシステム申請の手続きを終えた。日本時間の12月3日22時より、菊池に興味を持つメジャーリーグ30球団は交渉可能となった。
「交渉開始と同時に連絡を入れてきた球団はなかったそうです。広島の球団スタッフの口ぶりから察すると、『米国の代理人に後のことは委ねた』といった感じでした」(スポーツ紙記者)
興味深い情報も入ってきた。ひと足先にポスティグシステムの手続きを完了させた筒香嘉智(28)と菊池が「チームメイトになる」可能性が出てきたのだ。
「米FA市場を見ると、強打の二塁手が何人かいて、当然、彼らは大型契約を勝ち取ろうとしています。菊池を狙うのは、そういったマネーゲームに参加できないチームになります」(米国人ライター)
二塁手の獲得を考えていて、資金豊富ではない球団…。これまで、現地メディアが「菊池にアタックする」として伝えてきたのがワシントン・ナショナルズ。しかし、菊池がボスティングシステムの手続きが完了したという一報が伝えられたのとほぼ同時に、急浮上してきたチームもあった。トロント・ブルージェイズだ。
ブルージェイズは、メジャー30球団のなかで、唯一、カナダのオンタリオ州トロント市に本拠地を置き、球場は世界初の開閉式ドーム・スタジアム「ロジャーズ・センター」だ。両翼100メートルの広い球場だが、「ホームランが出やすい」とされている。
「人工芝の球場なので、守備能力の高い菊池なら、すぐに適応できるはず」(前出・同)
しかし、ブルージェイズに関しては、別の報道もあった。ブルージェイズは「打てる外野手」の補強を最優先事項に挙げており、ここにさほど資金力が豊富ではない事情も重なって、「日本から新たに挑戦してくる筒香を獲得リストの上位に入れている」という。
米メディア『フォーブス』によれば、「筒香にはヤンキースも興味を示している。本腰を入れているのはブルージェイズ」と伝えていた。前出の米国人ライターがこう続ける。
「筒香に興味を示している球団はほかにもありますが、守備が巧くないとマイナス面も報じられています。一発はないが、走攻守の総合力でアキヤマ(秋山翔吾)を推すメディアもあります。ブルージェイズは筒香の獲得に失敗したら、アキヤマにアタックすると予想されています」
ブルージェイズは筒香、菊池双方に対し、ほぼ同時にアタックするようだ。2人は代理人(エージェント会社)が異なるので“事前の打ち合わせ”は無いと思われるが、ともに侍ジャパンを牽引してきた仲。「いっしょにやろう!」なんてことになるかもしれない。カナダで再会、秋山も同時交渉してくれたら、日本のファンは衛星放送のブルージェイズ戦を絶対に見る。ブルージェイズはアメリカン・リーグだから、二刀流・大谷翔平対侍ジャパンの対決も実現するのだが…。(スポーツライター・飯山満)