分類上は鰻とはまったく別の仲間なのですが、外見が似ています。しかも魚類でもないという謎の生物です。目の後方にエラ穴が七つあるので、目が八つあるように見えるのです。
この目がたくさんある風貌からなのか、昔から夜盲症の薬になったりと、目に非常に良いそうです。実際にかなり効くらしく、長時間のパソコン使用などで眼性疲労に悩まされている方はぜひお試しあれ。
八つ目鰻は脂肪が多くてビタミンAなどに富み、食品として江戸時代から干物などが多く出回ってました。食べると疲れも取れて、精力絶倫になるそうです。
だが、この八つ目鰻!
愛らしい円形の口にはギザギザの鋭い歯がびっしりと生えています。その真ん丸な吸盤口で魚類等の生物に吸いつき、ヤスリのような歯で肉を傷つけて溶かし、血や体液を吸い取るのです。
そういえば昔、何かの漫画で人間が八つ目鰻の大群に襲われて血肉を喰い尽くされて、アッという間に白骨化するというショッキングな場面を見たことがありました。
キュートな吸血吸盤口。実に恐ろしい…。
私も一度どんな感じか、試しに八つ目鰻に吸いつかれてみたいものです。
浅草に八つ目鰻専門の漢方薬局があり、干物・佃煮・漢方薬などが販売されています。ディープな雰囲気が怪奇好きのハートを鷲づかみです。店頭では団扇でバタバタあおぎながら八つ目鰻を焼いています。香ばしい匂いが食欲をそそります。
ここでは八つ目鰻を頂くことが出来ます。
早速、蒲焼を注文。タレがたっぷりかかった、焼きたての八つ目鰻蒲焼が運ばれてきました。
鰻よりも噛みごたえのある弾力があり、レバーのようなクセのある風味が美味しい。白いご飯とも合いそうです。
薬酒を飲むとさらに効果があります。肉体疲労に効く酒、スッポン酒、ハブ・蝮・コブラを一緒に漬け込んだ酒などを飲んで、ますます精力が付きました。
その後、浅草のカラオケで何時間もガンガン歌いまくりましたが疲れもせず。これも八つ目鰻のお陰でしょうか。血の気が増えて、ただいま八ッ目鰻パワー炸裂中です!
(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ)山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou