貴ノ富士が付け人に暴力を振るったのは、1場所の出場停止処分を受けた昨年3月以来これが2度目。“再犯”を重く見た日本相撲協会は、26日の理事会で自主的な引退を促すことを決議していた。
しかし、会見に臨んだ貴ノ富士は暴力・暴言の事実関係については認めたものの、引退については「あまりに重く受け入れられない」と拒否。また、暴言については「もともと千賀ノ浦部屋の兄弟子が使っていた」言葉だと述べた上、会見後半には「(暴力根絶研修の内容は)正直伝わっていない」と協会を批判するような言葉も発していた。
今回の会見を受け、ネット上からは「『悪いのは自分だけじゃない』という言い訳にしか聞こえなかった」、「この期に及んで何逆ギレしてんの?」、「往生際悪すぎ、さっさと引退しろ」、「事の重大さを全く理解していない、協会も情けをかけずに解雇処分にした方がいい」と批判が殺到。
また、これと同時に「旧貴乃花勢は問題児ばっかりだな」、「弟子に対して何を教えていたのか」、「師匠の教えが悪いから弟子がこんな奴らに育つんだ」と、協会と袂を分かった前師匠・元貴乃花親方(花田光司氏)を非難するコメントも噴出している。
会見の中で貴ノ富士は、「『げんこつなら…』という甘い考えがあった」、「生半可な優しさはダメと言われて育てられていた」といった旨の発言をしている。このような考え方が結果として今回の暴力につながった形といえるが、現在所属する千賀ノ浦部屋に移ってからはまだ約1年のため、この考え方を「貴乃花部屋時代に培われた考え方」とみる向きもある。
加えて、今回の一件では貴ノ富士の双子の弟・貴源治も、付け人が理不尽と感じるような行為を行ったとしてけん責処分に。また、それ以前の昨年12月には兄弟の兄弟子である貴ノ岩も付け人に暴力を振るいその後、現役引退に追い込まれている。かつての弟子たちが次々に問題を起こしていることを考えると、「貴乃花の教育が悪かった」という風潮になるのも致し方ないのかもしれない。
ただ、今回の騒動に関しては、「最近の騒動旧貴乃花勢に偏ってんなあ…なんか意図がありそうだが」、「ここまで連続すると逆に不自然な感じもする。何かの力が働いてるんかな」、「暴力認めた力士が普通ここまで現役に固執するか?明らかになっていないことがありそう」といったコメントも。旧貴乃花部屋勢に騒動が続発していることに、違和感を抱いているファンも少なからず存在するようだ。
文 / 柴田雅人