『ガチ相撲』は、八百長問題などで存亡の危機に揺れる国技・大相撲の現状を憂い、「今こそ相撲が見たい!」という大義名分のもとに行われた“相撲バラエティ”。ボビー・オロゴンに元・序二段力士の安田大サーカス・HIROや元ボクシング世界ミドル級王者の竹原慎二、そして“元・芸能人横綱”のチャック・ウィルソンといった力自慢の芸能人に、現役K-1王者“巨神兵”セーム・シュルトに新日本プロレスの“野人”中西学ら現役格闘家が土俵の上で集い雌雄を決し、トーナメントの勝者が第64代横綱・曙に挑戦するという超豪華企画であった(気になる曙の相撲だが、トーナメント優勝者の中西に突っ張りで圧勝)。
取組前には煽りVTRが流れ、入場時にはレニー・ハートが巻き舌で選手名をコールするなど、往年の「PRIDE」を意識した演出に、スタジオの観客も視聴者も熱狂した。
格闘技的演出となれば、当然番組の制作は「K-1 MAX」「DREAM」を手がける格闘技班によるものと考えたくなるが、当番組の制作はバラエティ班によるもの。
『ガチ相撲』が放送された5月1日と奇しくも同日に、実はTBS格闘技班が解散していたことが、K-1ファイター佐藤嘉洋のtwitterで明らかになったのだ。
TBS格闘技班の解散に伴い、莫大な放映権料ありきの大晦日の恒例イベント「Dynamite!!」開催が、おそらく今年から苦しくなってくることは確実。
そうなるとTBSは大晦日に、この『ガチ相撲』で勝負を目論んでいると推測するのも、あながち荒唐無稽な話ではないのではなかろうか。ましてやほとんどの選手にとって専門外の分野である「相撲」の勝負ゆえに、負けて失うモノもそう大きくはなく、各分野の選手にオファーを出しやすいのもTBSには好都合。
もし『ガチ相撲』に大晦日用の予算が投入されるならば、参戦メンバーがさらに豪華になることは間違いない。同局の改変期特番『オールスター感謝祭』の人気企画「ヌルヌル相撲」の常連である小川直也(プロレス)、石井慧(総合格闘家。アメリカ代表枠でロンドン五輪も目指す)ら元柔道メダリスト組の出場も堅そうだし、あの朝青龍の招聘だって不可能ではないだろう。
大晦日はひょっとしたら、「曙vs朝青龍」が紅白歌合戦を喰ってしまうかも!?