昭和はアントニオ猪木という絶対エースのもと、坂口征二、藤波辰巳(辰爾)、長州力、初代タイガーマスク、キラー・カーン、前田明(日明)、タイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ダイナマイト・キッド、ハルク・ホーガンといったスター選手を輩出してきた。
そして平成は、ビッグバン・ベイダー、スコット・ノートン、プリンス・デヴィットなど外国人選手も台頭。猪木、藤波、長州の時代を超えるべく、武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋の闘魂三銃士、馳浩、佐々木健介、天山広吉、小島聡、永田裕志、中西学、大谷晋二郎、藤田和之、真壁刀義、棚橋弘至、柴田勝頼、中邑真輔、内藤哲也、オカダ・カズチカら、日本人選手が飛躍した時代だったと言えるのではないだろうか。
平成の新日本はIWGPヘビー級王者のオカダをトップに、棚橋、飯伏幸太、内藤、そして前王者のジェイ・ホワイトの5選手がトップに君臨している。これはポスターを見れば一目瞭然だ。飯伏が抜けていたが、今後レギュラー参戦が予想されるだけに、5強の中に入ってくるのは間違いない。
ヤングライオン(新日本の若手選手)をジェイ、ジュース・ロビンソン、デビッド・フィンレーら外国人が多数を占めた時代に比べると、現在の新日本は海外武者修行組も含めて、将来有望な日本人選手が多い。特に期待されている海野翔太は『ワールドタッグリーグ2018』『ニュージャパンカップ2019』でトップ選手と対戦し存在感を残している。今年の『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.』のエントリーをアピールする選手もいるなど、令和のスター候補生は潤沢だと言っても過言ではない。
筆者は令和の“エース候補”として成田蓮を推したい。成田は1997年11月生まれの21歳。183cm、83kg、甘く端正な顔立ちで女性ファンも多いヘビー級の“エース候補”だ。成田は2016年4月、レスリングや野球などをバックボーンに新日本に入団。2017年7月に同期で同い年の海野翔太を相手にデビューした。海野とは背格好も近い。生涯のライバルとして競い合っていくと期待されている。
海野同様、海外武者修行も時間の問題と思われ、海外から帰国した後どんな化け方をするのか注目したい選手である。成田がどんなレスラー像を築いていくのか大いに期待したい。
文・写真 / どら増田