キングとの別れがしめやかに執り行われた。この日の午前10時半、遺族の意向により故・三沢さんの告別式が非公開で行われ、会場となった東京・宝仙寺には密葬ながら200人が参列。ノアの小橋建太、秋山準をはじめ、フリーでは高山善廣、佐々木健介と北斗昌、全日本時代に関わりのあった新崎人生やハヤブサ、さらにはダチョウ倶楽部の肥後克之と上島竜兵らが、三沢さんを偲んだ。
法名は釋慈晴で、遺影は趣味だった自動車レースの際にまとっていた緑のレーシングスーツ姿。壇上には三沢さんが好きだったウルトラマンや仮面ライダーのフィギュア数十体が飾られたという。午後12時10分に斎場に出棺。荼毘(だび)にふされた。
参列したノアの百田光雄副社長は「おおらかで安らかな顔でした。人に好かれる性格でしたので、こうやってこれだけの人に集まっていただいたのは人柄。故人が偲ばれます。ありがとうございました」とあいさつ。また、近親者による密葬を終えた後にノアが、一般のファンに向けて7月4日に東京・ディファ有明で三沢さんのお別れ会「〜DEPARTURE〜(献花式)」(一般受付14時から)を行うことも決まった。
突然の死から7日。方舟戦士のショックはいまだ計り知れないものがあるが、立ち止まっているわけにはいかない。きょう20日には三沢さんが亡くなった翌日に新GHCヘビー級王者となった潮崎豪と杉浦貴が、ライバル団体の新日プロ大阪大会に参戦し、対抗戦を行う。
新日ヤングライオンの岡田かずちかと対戦する潮崎にとっては、王者となって初のシングルだけに負けが許されないのはもちろん、格の違いを見せつけなければならない闘い。今年1・4東京ドームで三沢さんとのタッグで対抗戦の口火を切った杉浦にとっても、年明けの対戦相手で今春には春のG1を制した後藤洋央紀を破れば、新日制圧に前進するのはおろか、このさき新日の至宝IWGPヘビー級王座の挑戦権も視野に入ってくる重要な一戦だ。
今年の年明けから新日プロとの対抗戦をはじめた張本人でもある三沢さん亡きいま、方舟戦士にとってこの闘いは落とせないところ。敵陣で勝ち名乗りを挙げて亡きノアの象徴に勝利報告できるか、いよいよ決戦のゴングが打ち鳴らされる。