ヤバイくらいリアルなカーチェイスのハイスピード・アクションが見もの。これは実際にあった話に基づいてフランス警察が初めて映画製作に本格協力したというものだけに迫力が違う。麻薬密売組織に、ドラッグを運ぶドライバーとして秘密捜査官(ロシュディ・ゼム)が死を覚悟して潜入する。モロッコ、パリとスペインのマラガを結ぶルートを時速200キロで駆け抜ける車。だが、敵も捜査官だと見破って殺そうとするが…。そのリアリズムに徹した手に汗握るドライバーテクは必見。
「アート・オブ・ウォー2」(9/12より、銀座シネパトス)
08年4月に脱税罪で実刑判決を受けたウェズリー・スナイプス。もうダメかと思ったらマイナーから復活。しかも世界興収1億ドル突破というからスター性が生きていた作品。恩師の訃報を受けた国連の特殊諜報部員は、その死が自分の過去と関係していることを知る。真相を探るため裏社会に飛び込むと、新兵器売買に暗躍する武器社会の影、政治家暗殺計画などが次々浮上。そして味方であるはずのFBIまでが絡む。彼は単身戦い、撃って撃って撃ちまくるが…。空手有段者だけに肉弾戦もあり、スナイプスならではのアクション映画。B級なりの胸スカでイケる。
「湾岸ミッドナイト」(9/12より、新宿ミラノほか)
車好きは、車をまるで恋人のように、いや、もっと情熱を持って接している。そんなカーフリークの心理がたっぷり描かれているのがこの作品だ。高校3年生のアキオ(中村優一)が、ある日、解体所に転がっていた「フェアレディS30Z」を偶然見つける。かつては“悪魔のZ”と呼ばれていたいわくつきのもの。Zの虜(とりこ)となったアキオの前に、元の持ち主の妹も現れる。これ以上犠牲者を出さないために、ポルシェ911をチューンナッブした“ブラックバード”も現れ、Zとの高速レースに挑む。走ってこそ生きる名車をめぐる激しいバトル。車に興味ない方は面白くないカモ。