現在は、お昼時と大人の放課後の時間になると、近隣の高層ビルや職安通り方面のオフィスなどあちらこちらから、大人が食を求めて集まってきている。
柏木公園、墓地、西新宿ホテル…それらを中心にしたこの界隈は、いかにも古い新宿の味わいが残っており、そんなレトロな雰囲気も人を引き寄せるのに一役買っていそうだ。
柏木公園前の《タカマル鮮魚店》は、こんなところに、と言ってはなんだが、突然でかい魚屋。しかも、昼間から呑める居酒屋でもあるため、昼間は女性客を集め、夜になると店の外にもテーブルが出されサラリーマンなどで周囲は鈴なりになる。
夕刻の同店の賑わいの灯火は、新しい7丁目のランドマークともいえる異形を誇っているのだ…。いわゆる小鉢類も、ここではでーんと新鮮な刺身が大鉢に並ぶのが、ならではの迫力。
ちょっとふらつきつつ、すうっと店を抜け出て歩くと、<朝採りもつ串 一本80円>の看板が気を引く立ち飲み屋が。お隣の季節限定ランチもある老舗の寿司割烹の存在もうれしい。
さらに散策すると、庶民的なトンカツ屋にうなぎ屋…小さい店構えの個性的な老舗が居並ぶのもこのエリアの特徴のひとつなのだ。
ちなみに、朝の仕込みの時間に老舗店周辺を歩くと、感動的な匂いが立ち込めていたりする。蒙古タンメンなど、ガイドブックで有名なお店だけではないこの店の層の厚さこそが、この新たな7丁目の魅力を支えているのかもしれない。