今回も、夕方6時から始まるライブのために見たい相撲もがまんして、わざわざオシャレな街・代官山なんぞに足をはこんだ。そこで目にした「日本マドンナ」なる若い女子3人組。彼女たちが、耳を疑うような酷い歌詞を叫ぶライブを展開しビックリ、「箸がころんでも可笑しい年頃」の彼女たちに一体何が!
三連休の初日20日、その日は天気も良かったので運動不足を解消するために、都内をずーと(一人で)歩いていた寂しい記者。代々木公園→渋谷→恵比寿と歩いてきて夕方代官山unitというライブ会場に着く。そう、5月にメジャーデビューも決まった黒猫チェルシーのライブを見るために。この日のゲストは彼らの友達のバンドばっかり。そこで、まだデビューもしてない女子高生バンド「日本マドンナ」が最初に出てきた。
見た目は普通。でも歌詞が「脳内で一万人人を殺している!」だとか、「はじめて見た○○は、○○で濡れてて“ピー”(自主規制)だった。」だとか何だかとんでもない。よく聞き取れないが、とにかくそんなワードを叫びながら、何かに怒り狂っている彼女たち。一体何が起きた? 何をそんなに怒っている? 「神聖かまってちゃん」も怒りまくっているが、若い人たちの間で怒り狂うのが流行っているのか。あっけにとられてメロディーがぜんぜん頭に入らず、そのまま終了。
その後、チョモランマトマトっていう、「爽やか系」が出てきてやっぱり荒れ狂う。男だからこれはいい。しかし、このトマトが客席にいる黒猫のワタナベ君を紹介してしまい、会場中の注目が一気に集中。このー! 先に気づいていた記者は、こっそりワタナベを触ろうと思ってたのに。とたんに彼は客席から消えてしまい、残念だ。
難なく「黒猫チェルシー」のライブは終了し、本人達は翌日のライブ(広島県)のためにさっさと帰ってしまった。観客の熱気が残っている会場ではCDを手売りする“日本マドンナ”の姿が。さっきのライブとはうって変わって、憑き物が落ちたようにニコニコしている彼女達。「写真一枚いいですか?」とファンに混じってカメラを向けると、キャーうれしい! と三人一同に喜びピース。何だ、カワイイじゃないか。激しい表現は怒りの爆発ではなくて、みんなに歌を聴いてもらう事で「生きている」と感じるんだそう。ごく当たり前の子たちだった。偶然そこに居合わせただけだけど、急に彼女たちの“ファンの輪”が出来ていて、みんないい顔をしている。よかった、よかった。日本の明日はそうヒドイもんでもないようだ。(コアラみどり)
写真:実はカワイイ、日本マドンナ。