昇格したのは三塁手のダニー・バレンシア内野手をレッドソックスにトレードし、内野手を補充する必要が出たため。西岡のマイナーでのパッとしない成績が、評価されてのものとはいいがたかった。
西岡のポジションは二塁か遊撃だが、二塁にはアレクシー・カシーヤ内野手、遊撃にはジェイミー・キャロル内野手、ブライアン・ドージャー内野手がおり、西岡の役回りは彼らのバックアップ要因と思われた。
しかし、西岡は合流後、即、二塁手で3試合スタメンに起用された。他の内野手の打撃が低調ということもあるが、ここには球団側の思惑があったようだ。それはズバリ、西岡がメジャーでやれるかどうかのテスト。そのために、スタメンで使う必要があったのだ。
西岡が出場3試合で残した結果は、12打数無安打1打点1四球で3失策と惨たんたるものだった。1打点は犠牲フライによるものだが、課題とされた守備面で3つもエラーをしたのでは、テストは不合格といえるだろう。
10日(同11日)のレイズ戦で西岡の出番はなかった。ロン・ガーデンハイアー監督は「みんなに出場機会を与えたい」と説明するにとどまった。9日(同10日)にはテリー・ライアンGMが、地元メディアのパイオニア・プレス紙に対して、「期待とは違うことがあった。決断の時は来ている」と発言。ライアンGMは「選手起用については監督次第だが、(トレバー)プルーフの状態を確認した上で決断するだろう」とも語っている。
内外野をこなせるプルーフ外野手は現在、右手親指痛で故障者リスト(DL)入りしているが、今季19本塁打を放っており、長打力が魅力の選手。復帰間近のプルーフが合流した場合は、その代わりに西岡がマイナー落ちする可能性が高くなった。
西岡は「一日一日新しい気持ちで入っている。厳しい言葉が選手を成長させプラスになる。すべてを受け入れて頑張っていきたい」と前向きに話したが、マイナーでの生活に逆戻りする日が近づいているようだ。
(落合一郎)