KAORUは11年4月、OZアカデミー新宿大会の試合中にカカトを骨折。術後の感染で、骨髄炎を患った。「毎日死ぬことばかりを考えてた」当時は、人との接触を避けていた。ところが、「神取(忍)さんが声をかけてくださって、LLPW−Xのお手伝いするようになって、外に出る機会をくれた。(井上)貴子(LLPW-X)から『若手の面倒を見てください』と言われて、ブリリアントバトルガールズ(同団体の練習生=当時)の練習を見た」ことで、メンタルを克服。さらに、甘やかすことなく叱ってくれた長与さん、同じく地獄を見た歌手・華原朋美のライブに感銘を受けて、復帰を決意した。当日は貴子&浜田文子(ZABUN)とタッグを組んで、神取&里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)&未発表のXと対戦する。
また、オープニングバウト(第1試合)では、長与さんと同期のダンプ松本(フリー)が、引退したブル中野さんと元極悪レフェリーの阿部四郎さんを引き連れて、極悪同盟を復活させる。試合は6人タッグマッチだが、ダンプ以外の5選手は未定だ。
トレードマークである竹刀を手にしたダンプは、「極悪のカードは自分たちで決める」と静かに語ったあと、「昔を思いだせ!」と、竹刀を長与さんに振り下ろした。慌てて神取、KAORUが静止に入るも、ダンプは「ヤラれても立ちあがる長与千種を見せてみろ!」と挑発。感極まって、「女子プロ界を盛りあげるために、力を貸せ。そして、もう1度女子プロを創れ」と涙をこらえると、長与さんは、「わかった。おまえの相手、務める」と快諾。GAEA04年11・3後楽園大会からちょうど10年ぶりに、タッグながらも長与vsダンプが実現する。
「女子プロ(団体)を創れ」と言うダンプの挑発には、「もう1度リングに立って、猶予をもらう」と明言を避けた長与さん。しかし、真っ向否定ではなかったことから、50歳になる来年、再び“メイクミラクル”を起こす可能性がゼロではない。イベント開催までのおよそ4か月で、新たな秘策を講じるのだろうか?(伊藤雅奈子)