両リーグ最多得票を現役選手で最も多く記録しているのは、2016年から2018年にかけて3年連続で達成したソフトバンク・柳田悠岐(3回)。離脱が長引いている今年も、現時点で4万6863票(パ外野手3位)を獲得。例年通りの活躍ができていれば、山川といい勝負を演じていたことは想像に難くない。
ただ、過去を振り返ると、その柳田以上の回数を誇る選手が3名存在する。今回はファンから圧倒的な支持を集め続けたその3名を以下に見ていこう。
■山内一弘(元毎日・大毎他/6回)
「シュート打ちの名人」、もしくは「打撃の職人」と称されるほどの打撃力を武器に、首位打者1回、本塁打王2回、打点王4回を獲得した山内。プロ野球黎明期を代表する大打者は、1956年〜1957年、1959年〜1962年の6シーズンで両リーグ最多得票を記録している。
■イチロー(元オリックス/6回)
数多くのファン・関係者に惜しまれつつ、今年3月にユニフォームを脱いだイチロー。1995年〜2000年にかけての6年連続両リーグ最多得票は、現在まで破られていないプロ野球記録となっている。ちなみに、イチローはメジャーでも10回(2001年〜2010年)オールスターに選出され、2007年には史上初のランニング本塁打を記録してもいる。
■王貞治(元巨人/7回)
これまでに最も多く両リーグ最多得票に輝いているのは、長嶋茂雄と共に「ON砲」で鳴らした王貞治。通算本塁打(868本)を筆頭に数々のプロ野球記録を樹立したスラッガーは、1963年〜1965年、1976年、1978年〜1980年の7シーズンで最多得票をマークした。
自らのバットで、“民意”を得続けた以上の3選手。最多3回の柳田を含む現役選手の中から、果たして彼らに迫る選手は輩出されるだろうか。
文 / 柴田雅人