サイドスローからテンポ良く投げ込まれていった白球は常に低めにコントロールされ、ストレート、スライダー、シンカー、カットボールと多彩な球種を操りドラゴンズ打線に凡打の山を築かせた。
昨年は5勝3敗ながら、球界エースのジャイアンツ・菅野智之に投げ勝つなど成長を見せ、今季は更なる飛躍が期待されていた。しかし、キャンプ序盤から足首の故障で離脱し、その後も腰、右肩と度重なるアクシデントで復帰が遅れた。その後、ファームでじっくりと調整すると、防御率1.35と好成績を残し、2か月遅れの今シーズン初登板でいきなり結果を出した。本人は「調子は良く無かった分、低めを強く意識して投球した」ことが好投の要因と自己分析した。
16年オフに山口俊の人的補償で、ジャイアンツからベイスターズに移籍した平良。毎年順調に成長し、チームでは先発できるサイドハンド右腕として貴重な存在となった。これでベイスターズのスターター陣は、今永昇太、濱口遥大、東克樹の左腕トリオに、上茶谷大河、大貫晋一のルーキーコンビ、この日復帰の平良を加えた6枚が揃った。ラミレス・ベイスターズの反撃がここからやっとスタートする予感が漂う。
取材・文・写真 / 萩原孝弘