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“伯父の重圧”“勤続疲労”が巨人・菅野を襲った 垣間見えた異変の正体とは?

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菅野智之

 「疲れ」に対する考え方を変えるべきかもしれない。

 巨人・菅野智之(29)の出場選手登録が抹消された。遠征先のひたちなか球場(対DeNA/中止)で取材に応じた原辰徳監督(60)によれば、原因は、腰の違和感。「重症ではない」と伝えていたが、抹消を決めた前日の5月20日、ジャイアンツ球場での練習中に違和感が出たという。

 「今季の菅野の調子はイマイチ。でも、エースの二軍落ちはチーム全体に影響を及ぼします」(スポーツ紙記者)

 いったん、出場登録を抹消すると、最短でも「10日」の間を置かなければならない。序盤戦に苦しんでいた緒方カープが息を吹き返し5月21日、巨人を抜き単独首位に立った。過去3年、広島は交流戦明けに爆発的な強さを見せ、そのまま独走態勢で優勝を決めている。巨人以外にも言えることだが、優勝するにはこの時期に広島をたたいておく必要がある。菅野の戦線離脱は、ペナントレースにも大きな影響を与えそうだ。

 巨人関係者がこんな話をしていた。

 「(5月)8日のDeNA戦に菅野が先発していますが、そのころから『いったん、二軍に落とし、再調整させるべき』との話が出ていたんです。一軍の首脳陣全体で話し合い、『とりあえず、様子を見よう』となって、15日の大炎上ですよ。6回途中、自己ワースト10失点(阪神戦)の…。今回の出場抹消がなければ、菅野は22日に先発する予定でしたが」

 つまり、周囲は「菅野の異変」を今回の抹消前から察していたわけだ。投手出身のプロ野球解説者がこう続ける。

 「今年の菅野は変化球が多い。菅野といえば、『変化球が多彩で制球力もバツグン』というイメージを持つファンも多いと思いますが、本当の武器はストレートです。ストレートで相手バッターをねじ伏せる力があるんですが、今季に限ってはその威力のあるストレートが見られません」

 菅野は昨季オフから私的交遊、食生活にも気を配り、身体に疲れを残さないように努めてきた。裏を返せば、菅野自身、疲れを感じていたということになる。

2013年 登板27 投球回176
2014年 同 23 同 158・2
2015年 同 25 同 179
2016年 同 26 同 183・1
2017年 同 25 同 187・1
2018年 同 28 同 202

 入団以来、小さな故障で一時的に戦線を離脱したことはあったが、先発投手としてフル回転してきた。昨季は「完投10」という突出した数字も残しており、調子の上がらない今季も、ナンヤカンヤ言われながらも53・2イニングを投げている。

 威力のあるストレートが見られないのは、疲労が原因とされている。

「攻守交代で菅野がベンチに帰ってきて、宮本総合投手コーチが近づいてきました。宮本コーチが何かを確認していたんですが、菅野はそれを無視するようにベンチ裏に引っ込んでいきました。宮本コーチがそれを追いかけていき…」(スポーツ紙記者)

 本調子ではない。ストレートの威力が戻らない。そんな焦りが菅野のイライラを呼んだのだろう。今回、登録抹消となった原因も疲労が関係しているという。

 「伯父である原監督が現場復帰し、菅野は『自分が先頭に立って頑張らなければ』と思い、重圧も感じていたようです」(前出・関係者)

 近年、100球をめどに先発投手を交代させる風潮も根付いてきた。それが投手の闘争心を希薄にさせたとの指摘もあるが、今回の菅野の戦線離脱を機に、球界は「勤続疲労」「疲労の蓄積」についてもう一度考え直す必要もありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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