今季から巨人に加わったクックは、抹消時点でリーグ2位となる6セーブをマーク。この部分だけを見ると、チームにとって痛い離脱のようにも思われる。
しかし、実際のところはそうとも限らない、クックはここまで8試合に登板しているが、その内被安打0で締めたのは2試合のみ。その他の試合はいずれも安打を浴びるなど、安定感を発揮しているとは言い難い。
加えて、使う機会がそこまでないという事情もある。チームはクック離脱までに19試合を消化しているが、9回がセーブシチュエーションだったのは8試合。内1試合は菅野智之がそのまま完投したため、実際のところは7試合だけだ。
そもそも“開店休業”状態であったことを考えると、今回の離脱が微々たる損失であることは自明の理。むしろ、今後の用兵次第では、「怪我の功名」となり得る可能性もある。
これまでのチームは外国人枠4枠の内、3枠をクック、アレックス・ゲレーロ、クリスチャン・ビヤヌエバに使用。一方、残る1枠に関しては、テイラー・ヤングマンとC.C.メルセデスを交互に登録・抹消していた。
しかし、今回クックが離脱したことで、「2勝0敗・防御率2.50」のヤングマンと「2勝1敗・防御率2.45」のメルセデスを同時に起用することが可能となる。菅野(3勝2敗・防御率3.82)、山口俊(4勝0敗・防御率1.86)、高橋優貴(2勝0敗・防御率1.10)といった面々にこの両名が合わされば、リリーフ陣の不安をカバーできるほどの先発陣が形成されるのではないか。
ただ、宮本和知投手総合コーチは、今回の一件について、「クックは10日で復帰させる」という旨を各メディアに語っている。投球も“出勤日”も不安定な守護神よりは、計算できる先発を重用した方がいいと思うのだが…
文 / 柴田雅人