9試合に出場したオープン戦の成績は、「打率.200・0本塁打・2打点・3安打」。炭谷銀仁朗の加入もあり、今季は「ポジション争いに敗れて干される」と予想するファンも少なくなかった。
しかし、開幕を迎えると、ここまでスタメンマスクを被った11試合中10試合で安打を記録。19日の阪神戦、23日のヤクルト戦ではどちらも4安打を放つなど、ある意味“らしくない”活躍を継続中だ。
24日終了時点での今季成績は、「打率.415・1本塁打・6打点・17安打」。規定打席には到達していないものの、現在の首位打者(阪神・梅野隆太郎/打率.355)を優に上回る打率を叩き出している。
“隠れ首位打者”小林の活躍に、チームを率いる原辰徳監督は「恐怖の8番打者だね」と各メディア上で絶賛。チームのファンからも、「今までとはまるで別人のようなバッティングだ」、「炭谷の加入でようやく尻に火が付いたのか」、「これだけ打てるならもう正捕手で固定していい」といった称賛の声が挙がっている。
一方、小林の打棒については、「去年もこの時期打ってたから信用ならん」、「1年分のヒットを春にまとめて打ってるだけ」、「どうせ春の珍事で終わるよ」といった懐疑論も少なくない。
昨年4月の小林は、一時「打率.375」で首位打者に立つほど打撃好調だった。しかし、翌月以降打率は降下し続け、終わってみれば「打率.219」、さらに規定打席すら未到達と、お世辞にもいいとは言えない成績となっている。
また、小林は2016年(打率.204)、2017年(打率.206)の2年連続で、規定打席到達者中リーグ最下位の打率を記録してもいる。そんな見過ごせない“前科”を持つ打者が、今後も調子を落とさずに過ごすことができるかは甚だ疑問だ。
現在の好調ぶりを考慮すると、この先他球団のマークが今以上に厳しくなることもまた想像に難くない。2年連続で尻すぼみのラストを迎えることだけは、本人も絶対に避けたいところだろうが…
文 / 柴田雅人