幕内2場所目となった先の初場所(1月=両国)で、9勝6敗と初めて勝ち越して、春場所(3月9日〜23日=大阪・ボディメーカーコロシアム)は自己最高位の東前頭11枚目まで番付が上がった。
大砂嵐は初日から7連勝して、白鵬、日馬富士の両横綱とともに、トップを並走し、優勝争いに加わっていた。
ところが、好事魔多し。8日目の遠藤戦で初黒星を喫した一番で、右太ももの付け根を負傷。医師から、「筋が2本切れている。やめた方がいい」と言われながら、強行出場した9日目の豪風戦では敗れた上、負傷箇所が悪化し、10日目から無念の休場となった。
18日朝、師匠の大嶽親方(元十両・大竜)は「今日と明日は、とりあえず休ませる。痛みが治まってくれば、本人は取りたいという気持ちがある」と話し、大砂嵐は12日目以降の再出場に意欲を見せているという。
ただ、大嶽親方は「まだまだ、相撲人生を考えたら長いから。しっかり治してほしい」と親心を見せ、無理はさせたくない意向。
再出場して1勝でも挙げれば、勝ち越しとなり、来場所番付が上がるだけに、大砂嵐が再出場を志願する気持ちは分かる。だが、痛みを我慢して強行出場しても、勝てる保障はなく、かえってケガを悪化させる要因にもなる。
大事を取って、千秋楽まで休場すれば、負け越しとなってしまうだけに、大砂嵐としては、その判断に悩むところだ。
(落合一郎)