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史上初のアフリカ出身力士・大砂嵐 断食に打ち克って勝ち越し!

 史上初のアフリカ大陸出身力士として、注目を集めていたエジプト出身の新十両(西9枚目)・大砂嵐(21=大嶽)が、イスラム教の慣習であるラマダン(断食)に打ち克って、見事、勝ち越しを決めた。

 初土俵から、わずか所要8場所のスピード出世で、名古屋場所(愛知県体育館=7月7日〜21日)で新十両に昇進した大砂嵐。

 4日目からはラマダンに入り、日の出から日の入りまで、一切の飲食が禁じられている。食事もさることながら、この猛暑の中で、アスリートが水すら飲めないのは大きなハンディとなったが、深夜にいったん起きて夜食を摂ったり、うがいを多めにしたりして、しのいできた。

 しかし、大砂嵐は「(ラマダンの)影響はない。さらにパワーが出るんだ」と、そのハンディをものともせず、ラマダン突入後の9日間を6勝3敗の好成績で乗り切って、12日目に区切りの8勝目を挙げた。

 新十両の場所で勝ち越しを決めた大砂嵐は、「疲れているけど、勝ち越してホッとした」と笑顔。さらには、「勝ち越しはもう終わったこと。あと3番勝てるように、1日一番で頑張るだけ」と先を見据えた。

 大砂嵐にとって、残り3日間は非常に大きな意味をもつ。あと2番以上勝って、星を2ケタに乗せれば、来場所、番付は十両上位に上がり、幕内を狙える地位になる。十両を2場所で卒業して、一気に入幕するためには、この先の3番の星取が重要。勝ち越しで満足せず、星を重ねてほしいものだが…。
(落合一郎)

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