先の初場所(1月=両国)で11勝4敗と、初の2ケタ勝利をマークし、初の三賞(敢闘賞)を獲得した遠藤。
この春場所(3月9日〜23日=大阪ボディメーカーコロシアム)で、自己最高位の東前頭筆頭まで番付が上がった遠藤は、初日から5日目まで、5番連続で横綱・大関との取組が組まれた。
大関・鶴竜、横綱・日馬富士、横綱・白鵬、大関・琴奨菊を相手に4連敗を喫したが、5日目に大関・稀勢の里に勝って初勝利を上げると、6日目は平幕・玉鷲、7日目は元大関で関脇の琴欧洲、8日目は全勝のライバル・大砂嵐を逆転で破って、4連勝。これで、星は4勝4敗の五分となった。
大砂嵐との取組では、有望力士同士の対戦とあって、12本の懸賞金が懸けられるなど、遠藤はヘタな不人気大関より、すでに人気者となった。
番付が東前頭筆頭であることから、勝ち越せば、三役昇進が濃厚となる。関脇・豪栄道ら役力士との対戦は残っているが、すでに難関の横綱・大関戦は終わっており、残り7日間を4勝以上で終える可能性は十分にある。
遠藤が今場所、勝ち越して三役に昇進すれば、94年春場所で三役に上がった武双山の所要7場所の史上最速タイ記録に、20年ぶりに並ぶことになる。
角界としては、久しぶりに出現した“和製”の期待のホープだけに、こうなったら、一気に三役に昇進し、相撲界を盛り上げてほしいものだ。
(落合一郎)