オペラ歌手の森公美子、元宝塚歌劇団星組トップ男役の湖月わたる、黒人演歌歌手のジェロら超実力派の共演者に囲まれたこのミュージカルに、今回二人はWキャストで挑む。
二人とも、普段は少し天然で愛くるしいキャラクターで知られているが、稽古場での表情は真剣そのものだ。「はーちゃん」こと片山陽加は、かつてAKBで歌唱力のある順に選抜者を決める「カラオケ選抜」をして欲しいと願っていたというエピソードを持ち、またミュージカル出演は随分前から夢でもあったと聞く。歌の方に少し自信があるのかもしれない。「あみなちゃん」こと佐藤亜美菜はミュージカルの舞台は2回目。経験もあり、今回の舞台では役者としてのさらなる飛躍を目指したいところ。
稽古場でそんな二人に今回の舞台について聞いてみた。
−−今回のミュージカル「ブルース・イン・ザ・ナイト」について教えてください。
片山陽加(以下 片山):1930年代のシカゴが舞台のミュージカルです。あるホテルでプレイボーイのサロンシンガーMan(ジェロ)と、今は落ちぶれているけどかつては輝かしいキャリアを持ったブルースシンガーLady(森公美子)、セレブでスタイリッシュな年齢不詳の女Woman(湖月わたる)、そしてわたしたち(Wキャスト)が演じる夢と希望を胸に都会に出てきたGirl(若い娘)が出会い、それぞれの人生模様をユーモアたっぷりに、また熱く、ブルースで歌い上げていくという。
佐藤亜美菜(以下 佐藤):どの年代の人も男女問わずどこかしら共感できるし、ミュージカルは初めてという人でも決して置いてきぼりにはならないミュージカルです。ちなみにわたしたちが演じるGirlという役は、 感情の起伏が激しい、落ち込んだと思ったらすぐに立ち直る、「美味しいもの食べたら忘れちゃった!」みたいにあっけらかんとしているけど、弱気になると守ってあげたくもなる、みんなに支えられながらも、一生懸命前向きに生きている女の子ですね。
片山:この作品で普段とは違う、弾けたところを見せたいです(笑)。できれば、共演の森さん、湖月さん、ジェロさんを観にきた人にも、AKB48の虜になっていただけたらと願ってます!
−−Wキャストでよかったところ、また共演者の印象など教えてください。
佐藤:まず、一人じゃないってところで精神的に十分助かってます! あとは、人の振りみて我が振り直すで、自分だけでは気がつかなかったところに気付いたり、教えあったり。
片山:わたしも亜美菜ちゃんの良いところを吸収して、いい表現の仕方はどんどん取り入れてます。
佐藤:共演者に関しては、森さんも湖月さんもジェロさんもおもしろい。そして優しい。稽古が始まって間もない頃から沢山話しかけてくださって、こんなに優しくしてもらえるとは思っていませんでした。
片山:ジェロさんはフランクな方で、たわいもない話やモノマネをしたりといつも和ませていただいています。
−−ブルースを歌うということで歌についてはどうですか?
片山:難しいし、大変なことがいっぱいあるけど、新しい歌い方やリズムの取り方を教えてもらって、とてもいい経験をさせてもらってます。
佐藤:こんなに歌ばかりのミュージカルは初体験なので、初めて本格的なボイストレーニングをさせてもらってます。稽古しながら自分なりの表現を作り出していくので、はーちゃんと私は演じる役は同じでもまた違ったGIRLを演じることになると思います。
−−ファンの方にメッセージを
佐藤:観に来ないと人生損すると思います。ホントに。私は舞台が好きで、いろんな舞台を観に行ってますが、稽古だけでこんなにおもしろいのだから、本番は相当おもしろいに違いないと思います! これは、劇場でしか観られないので、できれば亜美菜の回もはーちゃんの回も両方観ていただけたらいいなと思います。
片山:毎日、仕事とか家庭とか大変だと思いますが、これを観たらきっと楽しくて元気になってもらえると思います。AKB48とは違う私たちを見せますので、 絶対に観に来てくださいね!
(取材・文 名鹿祥史/山口敏太郎事務所)
ブルース・イン・ザ・ナイト
多彩なキャスト陣でおくる、ライブ感満点ミュージカル『BLUES IN THE NIGHT』
9月30日(金)〜 10月9日(日)天王洲 銀河劇場 ほか全国
お問合せ:コマ・スタジアム
公式HP http://www.blues-itn.jp/